岸田文雄首相の自民党総裁任期満了および再選不出馬宣言の中で行われた自民党総裁選挙で、石破氏は決選投票の末、総裁と首相の地位を握ることになった。靖国神社参拝を強行してきた強硬保守性向の高市早苗経済安保担当相にリードを許して2位で決選に臨んだが、過半得票で逆転に成功した。無派閥・非主流出身で「4転5起」の挑戦の末に首相の夢をかなえた政治家だ。
父の故郷の鳥取県で1986年に衆議院に当選して以降12選と貫禄がついた石破氏は政治経験が豊富だ。穏健派に分類される石破氏の首相就任を歓迎するのは、それだけ建設的な役割に対する期待が高いからだ。
何よりも石破氏は韓日関係をこじらせてきた歴史認識において前向きな態度を見せてきた。日本では珍しくキリスト教信者の石破氏は靖国神社参拝とは距離を置き、慰安婦や徴用など過去のイシューに関して穏健で思慮深い声を出した。昨年3月に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が徴用問題解決策として第三者代位弁済案を提示して以降、日本の反応が不十分な状態で、石破新首相がどのような誠意を見せるかが注目される。
来年は1965年に韓国と日本が国交正常化に合意してから60周年となる。石破氏は「小渕・金大中(キム・デジュン)時代のような良い関係に戻ればよい」と述べたことがある。石破氏が望むように尹錫悦-石破体制で韓日関係をより一層強める未来志向的な里程標をどう提示するかに関心が集まる。尹錫悦-岸田体制で半分ほど入れたコップの水の残りを共に満たすことを期待する。
防衛相出身の安保通の石破氏は岸田政権の外交・安保基調を概して継承するとみられる。米国の核兵器の共有と「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」創設を公約に掲げた。高度化する北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応し、韓米日の安保協力をより一層強化・発展させるのが当面の課題だ。尹錫悦大統領は11月のペルーアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で石破新首相と初めての対面するとみられる。両首脳が韓日両国のウィンウィン協力のための動力をうまく生かすことを望む。
中央日報日本語版 2024.09.30 11:50
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