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■“中高一貫校内閣”の岸田政権と対照的なノーベル賞受賞者
日本のノーベル賞受賞者を複数出している卒業大学は東大9人、京大8人、名古屋大3人。ノーベル賞は科学研究者の賞というイメージが強い賞だ。1人目と2人目の湯川秀樹博士、朝永振一郎博士、初の化学賞の福井謙一博士、初の医学生理学賞の利根川進博士など自然科学系の受賞者が立て続けに輩出したため、かつてはノーベル賞と言えば京大のお家芸のように思われていた。2000年代に入ってから、東工大卒の白川英樹博士、東北大卒の田中耕一さんなど様々になった。とはいえ、全体の6割を東大と京大が占める。
一方、卒業高校が重なっているのは、湯川博士と朝永博士の旧制京都府立京都第一中(現在の府立洛北高)だけ。旧制中学の出身者は11人いて、そのうち、10人は現在の県立高や府立高になっている公立中だ。
新制高では、15人が公立高卒で、合わせて28人中25人(約89%)が公立高かその前身となった旧制の公立中の出身ということになる。
私立の中高一貫校は、灘(兵庫県)出身の野依良治博士だけ。国立は大阪教育大付属高天王寺校舎卒の山中伸弥博士だけ。
東大や国公立大医学部医学科など難関の合格者数ランキングでは私立や国立の中高一貫校が上位を寡占している。ノーベル賞受賞者の出身高でこれらのランキングの上位に顔を出すのは私立一貫校の灘を除けば、利根川博士の東京都立日比谷高だけ。
東大の定員の約半数を全国の高校の1%に満たないランキング上位30校で占めているが、その8割が私立か国立の一貫校だ。そして中高一貫校出身者が席巻しているのは、難関大合格者数ランキングだけではない。
開成(東京)出身の岸田文雄首相を始め、現内閣の閣僚20人のうち、9人が灘や、開成とともに御三家と言われる麻布、武蔵など私立一貫校、2人が国立の筑波大付属、筑波大付属駒場と過半数が一貫校だ。この11人のうち、6人が東大合格者数ランキング30位以内の一貫校卒業生だ。
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■中高一貫校出身の受賞者はなぜ少ないのか
行政、司法、財界にその卒業生数以上の存在感を示している私立や国立の一貫校がなぜノーベル賞ではさほどでもないのか。
医系専門予備校メディカルラボの本部教務統括の可児良友さんは、一貫校の出身者が多い東大の入試問題は「官僚向きの人材を選抜するような短時間で大量の情報を処理する能力を測る内容」という。「問題数は少なくてもじっくり考えさせる京大の入試問題の方がまだノーベル賞向きではないか」と分析する。
さらに東大入試は科目数が多く、理系の個別試験(第2次試験)でも国語の比重がかなり高い。理系でも国語などで加点できるオールラウンダー型が求められる。国公立の医学部でも小論文など国語力が試されることが多い。
これに対し、ノーベル賞級の突出した業績をあげる研究者は自分の専門分野以外の科目で点数を稼ぐことに意欲がない場合が目立つ。ノーベル化学賞の候補としてよく名前の挙がるある研究者は灘高、京大卒。記者会見で、「灘に入ったら、授業で一度聞いたことは絶対に忘れないという人間離れした同級生がいた。こんな人たちと競争できないと、自分の好きな化学以外の科目を勉強する気をなくした。そのため、大学受験を乗り切るのに非常に苦労した」と語っていた。
東大には、入学してからも進学選択(進振り制度)という制度がある。そのため、1、2年生時は受験勉強の延長のようで、理工系でも文系の科目も含めて総合成績がよくないと希望する学科に進めない。
「この問題点を補うのが新しく導入された東大の学校推薦型選抜制度」と大学通信の井沢秀情報調査・編集部部長は指摘する。東大の一般入試と違い、理学部、工学部の推薦制度では応募の際に学科を希望できる。「推薦では学部が育てたい生徒を選ぶと公言していて、高校時代の研究活動などが評価される。学科での研究課題は違っても研究者としての資質や素養は生かされるだろう。県立秋田高は毎年のように合格者を出している」。推薦で入学した公立高の出身者がノーベル賞を受賞する時代も来るかもしれない。
また、井沢さんは「開成は43年間東大合格者数1位を続けているが、一貫校が上位を独占するようになったのはこの50年ぐらい。これまでのノーベル賞受賞者の多くが高校生だった頃は公立(旧制含む)が主役だった時代」という。(以下ソース)
9/27(金) 11:33配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/33ef9b7b1fa606ced00c3d3f8de2ade5da9aba13
引用元: ・【学歴】ノーベル賞受賞者の出身高校は?公立校が9割、私立一貫校はなぜ少ない “中高一貫校内閣”の岸田政権と対照的 [樽悶★]
というか高校まで関東で育った人はノーベル賞とれないよな
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