しかし、地中海食のほかにもうひとつ、非常に健康的でありながら、あまり広く知られていない食習慣が存在する。それが沖縄の伝統的な食事だ。
植物性食品をふんだんに使う沖縄食は、抗炎症作用に優れ、抗酸化物質やファイトケミカル(ポリフェノールやカロテノイドなど植物に含まれる物質)を豊富に含んでいる。
実のところ、沖縄の伝統的な食事は、世界のほかの地域の食習慣と比べて、長寿とより深く関係している。
沖縄は、100歳以上の人々の割合が世界でも特に高い「ブルーゾーン」と呼ばれる地域のひとつだ。
沖縄の食の利点については、地中海食のそれに比べるとさほど多くの研究があるわけではないが、調査が進むにつれて、この食事がいかに健康に役立つかが明らかになりつつある。
たとえば、2023年7月24日付けで学術誌「Nutrients」に掲載された論文によると、沖縄料理をベースとした食事を12週間続けた人たちは、体重が減っただけでなく、血糖値、インスリン値、コレステロール値も下がり、さらには腸内細菌叢にも良い変化が見られた。
伝統的な沖縄食が、これほど健康に良い理由とは何だろうか。
「沖縄の食事は、カロリー密度が低く、栄養素密度が高く、食物繊維を多く含んでいます」と語るのは、沖縄国際大学教授で、沖縄長寿科学研究センターの共同主任研究員を務めるクレイグ・ウィルコックス氏だ。
「また、抗酸化物質を多く含む植物性栄養素が豊富であり、血糖値の上昇が緩やかで、抗炎症作用に優れています」。これには大きな意味があると、ウィルコックス氏は言う。
なぜなら、「細胞レベルでの慢性的な低レベルの炎症は、老化のプロセスを進め、心臓病、脳卒中、糖尿病、がんなどの加齢に関連する疾患を引き起こす」からだ。
沖縄の食はまた、免疫機能にとっても有益だ。2021年5月22日付けで学術誌「Nutrients」に掲載された論文によると、沖縄の野菜や果物を定期的に食べている人は、
ウイルスや細菌への感染から体を守るのを助けるIgA、IgG、IgMなどの抗体レベルが高いことがわかっている。
また、沖縄の食事に使われている食品は、長期的な脳の健康に役立ち、加齢に伴う認知障害のリスクを下げる可能性があるとの認識も高まりつつある。
「健康的に年を重ねることを目指すなら、沖縄の食が最適です」とウィルコックス氏は言う。
「沖縄食に含まれる食品の多くは、長寿遺伝子であるFOXO3を活性化し、テロメアが短くなるスピードを緩めて、炎症を抑えます」。
テロメアとは、染色体の末端にある構造のことで、染色体内にある遺伝物質を保護する役割があり、細胞の老化スピードの決定に関わっている。
沖縄の長寿は、伝統的な食事と全般的なライフスタイルに関連があると考えられていると、米ニューヨークで活動する栄養士の宮下麻子氏は言う。
「沖縄の人々は屋外で長い時間を過ごし、また一日を通して一つひとつの食品を少しずつ、どれもほどほどに摂取するのです」
地中海食やDASH食(高血圧を防ぐ食事方法)と比べると、沖縄の伝統的な食事は脂質(特に飽和脂肪酸)が最も少なく、また炭水化物が最も多い。
事実、沖縄食における主要栄養素の割合は、良質の炭水化物(サツマイモなどの根菜類、葉物野菜)が大部分を占めており、炭水化物85%に対し、タンパク質は9%、オメガ3脂肪酸を含む脂質は6%となっている。
伝統的な沖縄食の場合、主食となる炭水化物は、日本食のような米ではなく、抗酸化物質に富むサツマイモ(黄色っぽい種類だけでなく、紫色や白色のものもある)だ。
「サツマイモは良質の炭水化物であり、血糖値を急激に上昇させることがありません」とウィルコックス氏は言う。
このほかの主要な食べものとしては、大量の大豆食品(大豆、豆腐、味噌汁など)、葉物野菜(ホウレンソウ、カラ中国、水菜、キャベツなど)、豆類、根菜類(ニンジン、タロイモ、ダイコンなど)、果菜類(カボチャ、ウリ、ゴーヤー)、キノコ類、多様な海藻類、魚、果物(ブドウ、バナナ、青パパイヤなど)、 少量の肉(特に豚肉)が挙げられる。
好んで飲まれているのはお茶(特にさんぴん茶と呼ばれるジャスミン茶)と酒、よく使われる調味料はウコン(ターメリック)、ショウガ、かつお節、醤油、ニンニクだ。
引用元: ・【地中海食と並ぶ世界の双璧】沖縄の伝統食はなぜ長寿の秘訣なのか
美味くはない
ハブ酒も無理
ゴーヤも無理
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