9月6日、中国人民銀行(中央銀行)の前総裁だった易綱氏は、「当局は、デフレとの戦いに集中すべきだ」と中国経済の現状について厳しい認識を明確にした。中国の経済官僚のトップにあった人物が、政府の経済政策に否定的な見方を示すのは異例だ。
足元の中国のデフレ圧力の高まりは、物価などのデータや中国企業の価格戦略などから読み取ることができる。注目すべき変化は、高価格帯の商品(ブランドバッグや化粧品)などの需要は減少傾向をたどる一方、安売り商品を専門に販売する業態が人気を集めていることだ。また、価値が安定している金を買い、経済環境悪化から財産を守ろうとする人も多いという。
不動産バブル崩壊でマンションや株価の下落リスクが高まる中、当面、中国の消費者は節約を心がけることになりそうだ。それに伴い、中国国内で値下げ競争が激化する可能性が高い。すでに、「安売り」に商機を見いだした企業が増え、一定の成果を収めている。しかし、デフレのスパイラルに陥ると、最終的には国内企業の倒産が相次ぐ深刻な事態を引き起こしかねない。
● 6兆円の経済政策も効果がみられない
(略)
● 節約志向で格安ショップの人気が急上昇
以前の中国なら、政府が何らかの経済対策を実施すると、消費者心理は明確に上向いた。しかし、不動産バブルが崩壊して以降、現在はそうした様子が見られない。むしろ、価格の下落に敏感に反応する消費者は増えており、「安売り」に商機を見出いだすケースが出てきている。
例えば、IT大手のアリババ・グループは、家計の節約志向への変化に機敏に対応している。低価格商品専門のアプリ「淘宝(タオバオ)特価版」の、実店舗チェーンを展開すると発表したのだ。
他にも、中国版100円ショップと呼ばれる、雑貨店大手の名創優品(メイソウ)、ネット通販大手の京東集団(JDドットコム)、PDDホールディングスが運営するECサイト「Pinduoduo」も、低価格戦略を強化している。
現状、低価格戦略の小売企業の業績は、アナリスト予想を上回るものが多い。上海のような大都市でさえ、「3元(約60円)ショップ」と呼ばれる、ディスカウントストア利用客が増えているという。
また、外食分野でも、中国のコーヒーチェーン瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)が低価格カフェラテを武器に、米スターバックスよりも優勢だと報じられている。
対して、高価格帯の商品の需要は減少傾向にある。化粧品メーカーの米エスティローダーは、中国の需要減少で業績不振に陥り経営トップの交代が発表された。LVMHモエ・ヘネシー・ルイ ヴィトンも同様に、中国での伸び悩みを理由に成長率が鈍化している。また、グッチを傘下にもつ仏ケリングは、値引き競争でブランドイメージの毀損(きそん)に直面した。中国を代表する高級酒である貴州茅台酒も売り上げが減少しているという。
不動産バブル崩壊後、不良債権対策が遅れたことから、中国の不動産価格の下落が止まる兆しは見えない。7月、大手不動産100社の新築住宅販売額は、前年同月比19.7%減だった。6月(同17%減)から減少率は拡大した。
これまで中国経済を支えてきた、マンション建設を増やすことで基礎資材や自動車、家電などの需要を生み出し、雇用を増やす手法はもう通用しない。土地の譲渡益で地方政府が歳入を確保し、経済成長を支える手法も過去のものだ。
● 安売り企業の競争激化で倒産が増加か
雇用・所得環境の悪化や、債務返済負担の増大を懸念し、低価格のモノやサービスを求める消費者は増加傾向にあるようだ。同様の現象は、1990年代初めに資産バブルが崩壊した後のわが国でも起きた。
バブル崩壊後、わが国では株価や地価が下落し、景気の減速から個人消費は減少した。中国製などの安価な製品を扱う100円ショップ、大手小売企業のプライベート・ブランド(PB)へのニーズは増えた。2000年ごろからは100円で食料品を販売する業態も登場した。
以下全文はソース先で
ダイヤモンド・オンライン 2024.9.17 6:00
https://diamond.jp/articles/-/350356
引用元: ・意味がわかるとゾッとする…中国で「60円ショップ」が流行り始めた理由 [9/19] [ばーど★]
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