習近平、成長率目標の達成を全地域・部門に要請

中国共産党の習近平総書記（国家主席）は12日、あらゆるレベルの官僚を対象に政府の年間成長目標を達成するよう求めた。ウォール街ではＪＰモルガン・チェースを含むエコノミストの多くが、中国経済は今年の成長率目標である５％前後を達成できないと予測し始めている。

習氏は甘粛省蘭州で主宰した座談会で、「年間の経済・社会発展目標を達成するよう努力する必要がある」と強調。「全ての地域・部門は中央委員会が導入したあらゆる主要な経済的な取り組みと措置を慎重に実施し、第３四半期（７－９月）と第４四半期（10－12月）の経済政策をやり遂げるべきだ」と呼びかけた。

17兆ドル（約2400兆円）規模の中国経済は、長引く不動産不況が消費者と企業の重しとなり、低迷から抜け出せないでいる。利下げを含む最近の当局による浮揚策も、景気の好転には至っておらず、中国は成長率目標を維持するために製造業と輸出に頼り続けることになる。

ＩＮＧ銀行の大中華圏担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「こうした発言をしたタイミングは、ここ数カ月にわたって見られた軟調なデータと関連しているようだ。習氏の言葉は政策支援が必要だという点でより緊急性をもたらす」との見方を示した。

金融緩和に加え、投資と消費の両方を後押しする成長支援策の組み合わせを想定している同氏だが、支援対象となる適格な投資プロジェクトが過去に比べて減少していることが課題の一つだとも指摘した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-09-13/SJQBQWT0G1KW00