YouTubeは9月5日、右派インフルエンサーのティム・プールやベニー・ジョンソンが出演する番組を配信していたTenet Media(テネット・メディア)と関連のある複数のチャンネルを削除した。
これらのチャンネルは、ロシアからの資金提供を受けていたと米司法省は起訴状で指摘した。テネットのYouTubeチャンネルは、削除される前に約32万人の登録者を抱えていた。
同社のウェブサイトは、今も公開中で、プールやジョンソンに加えてデイブ・ルービンやローレン・サザン、テイラー・ハンセン、マット・クリスチャンセンなどの名前が掲載されているが、
これらのインフルエンサーの多くは現在は、同社から距離を置いている。
TikTokやX(旧ツイッター)、インスタグラム、フェイスブック上にあるテネットのアカウントもまだ公開中ではあるが、5日以降の投稿は途絶えている。
YouTubeの広報担当者は、メールでの声明で、プラットフォームへの「影響工作との闘い」の一環として、テレネットのチャンネル及び同社のオーナーである
ローレン・チェンが運営する4つのチャンネルの掲載を終了したと発表した。
司法省は、起訴状にチェンの名前を記載しておらず、「創設者1」と「創設者2」として言及しているのみだが、
ワシントン・ポスト紙によると、テネットの企業記録には、彼女と彼女の夫のリアム・ドノバンが創設者として記載されている。
カナダ国籍のチェンもまた著名な右派のインフルエンサーで、50万人以上の登録者を持つYouTubeチャンネルを運営していた。
彼女はまた、元FOXニュースのグレン・ベックが設立した保守系メディア企業Blaze Mediaのために2つの番組を制作していたが、
Blaze Mediaは、司法省の起訴状が公表された後に彼女との関係を絶ったとCNNに語った。
司法省は4日の起訴状で、ロシア政府が「テネシー州に拠点を置くオンラインコンテンツ制作会社」に秘密裏に1000万ドル(約14億3000万円)の資金提供を行ったと非難した。
この会社の名前は、起訴状に記載されていなかったが、後にテネット・メディアだと報じられた。
司法省によるとこの資金提供は、「SNS上で親ロシアのプロパガンダと偽情報を広めるためのロシア政府の影響工作」の一環で、
ロシア国営メディアの2人の従業員によって行われたという。
テネットは、米国の世論を分断することを目的とした英語の動画を様々なプラットフォーム向けに製作するように命じられていたとされる。
しかし、司法省は、テネットの番組に出演した右派のインフルエンサーたちを非難しておらず、彼らが同社の創設者とロシアの工作員に欺かれたことを示唆した。
その後、これらの右派の人物らは、ロシアの関与を認識していなかったと語り、自身がこのスキームの「被害者」だと主張してテネットから距離を置いている。
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