サン氏夫婦はこの日連邦裁判所で無罪を主張し、保釈された状態だ。
起訴状によるとサン氏はビザ詐欺、マネーロンダリングおよびその他犯罪を含めて10件の犯罪容疑で起訴された。夫のフー氏はマネーロンダリング容疑がもたれている。特にサン氏は州知事の中国関連業務に関与して中国の立場を積極的に反映したことが調査で分かった。
一例として、サン氏はホークル州知事と州主指導者の台湾政府関係者との会合を中止したりした。2019年、蔡英文当時台湾総統が訪米する過程でクオモ当時州知事をレセプションに招待したが、サン氏はこのような台湾側の要請を州知事に意図的に伝達しなかった。サン氏はその後、中国側に「遮断した(block)」と知らせたという。
検察は「サン氏がニューヨーク州高官の訪中を斡旋(あっせん)するために州知事事務室名義で許可されていない招待状を発行した」とも公開した。
これに対する対価として中国政府側はサン氏の夫の事業に関連して数百万ドルの取り引きを斡旋したことが把握された。夫のフー氏はニューヨークでリカーショップを運営していて、ゴールデンキャピタルグループ、メディカルサプライズUSA、LCAホールディングスなど事業の性格がよく分からない会社を設立していたことが明らかになったとNYTは伝えた。
彼ら夫婦は事業の収益でニューヨークでも伝統的に裕福な地域であるロングアイルランドに360万ドル(約5億2200万円)相当の住宅、ハワイ・ホノルルのコンドミニアム、フェラーリの最新モデルなどを購入した。中国政府関係者の個人シェフが「南京式塩鴨」料理をサン氏の父母の家に配達した情況も確認された。この他に旅行の恩恵、中国オーケストラ公演チケットなどを受け取ったことが分かった。
◇「中国、10年間ニューヨーク指導層に影響」
AP通信は「起訴内容が事実なら、中国政府が10年近くニューヨーク州の最高位層に影響力を行使することができた」と伝えた。サン氏は州政府で14年以上勤務して、事業開発やアジア系米国人主務部署などでさまざまな職責を担ってきた。
2022年11月州労働部高位職に就いたが、数カ月後の昨年3月に突然退職してからの動向も疑惑の対象だ。サン氏が民主党所属の下院議員候補選挙キャンプに入ったためだ。これに関連し、ニューヨーク州のある関係者は「違法行為の証拠が見つかった」とAPに話した。
サン氏起訴は最近米司法省が中国政府の米国内スパイ活動を集中捜査する中で出てきた。検察は先月中国共産党のスパイとして活動した容疑がもたれている米国帰化中国人の王書君容疑者(76)ら、中国政府に代わって、米国に移住した中国系家族を監視した人々を起訴した。NYTは「検察のこのような動きは米中間貿易および技術に対する葛藤が高まり、外交関係が壊れながら明るみになった」と伝えた。
在米中国大使館の劉鵬宇報道官は3日、声明を通じて「(今回の事件に対して具体的に分からなかったが)ここ数年間、米政府とメディアはいわゆる『中国要員』の話を誇張している」とし「その中で多くのことは後で偽りであることが分かった」と主張した。続いて「我々は中国を標的とする根拠のない中傷謀略と誹謗に断固として反対する」と反発した。
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