https://mainichi.jp/articles/20240831/k00/00m/020/025000c有料記事
2024/9/3 06:00
日本の若者はなぜ、海外を目指すのか――。東南アジアなどで学生向けの海外研修事業を展開し、海外の就労事情に詳しい森山たつをさん(48)は、日本を1912年に沈没した豪華客船タイタニック号に例え、「一部の若者は『船に穴が開いている』と気づいたからだ」と分析する。どういうことなのか。詳しく聞いた。
大転換期を迎えるヒトとモノの今をリポートする<¥サバイバル 令和の「値段」>。今回は5回にわたって歴史的な円安を背景に注目が集まる「海外出稼ぎ」に迫りました。
第1回・「未経験、月50万円」でも ワーホリの苦い思い出
https://mainichi.jp/articles/20240829/k00/00m/020/321000c
――若者が海外に流出する理由をどのように捉えていますか。
◆そもそも日本と海外では、給料の水準が全く違うという問題があります。例えばシンガポールの飲食店でアルバイトをすると、月給はだいたい3500シンガポールドル。円換算すると約40万円になります。純粋に稼ぎが良いのです。現地の物価は高いですが、それを上回って稼げる金額は大きい。このことが若者を引きつけています。
――ようやく日本もここ数年、賃上げ機運が高まってきました。
◆それでも追いついていません。どんなに賃上げしたとしても、日本では学生アルバイトが1カ月で40万円を稼ぐ状況は想像できない。正社員であれば、日本と海外の差はもっと大きくなる。レベルが全く異なることを認識すべきだと思います。
他国と比べると、日本は経済レベルが下がり、相対的に「貧しい国」になりつつある。だから給料も低いのです。オーストラリアやシンガポール、米国はもとより、タイやベトナム、インドネシアなどにも追い抜かれつつあります。
つまり経済成長率の差が明確に表れていて、この状況は当分変わることはないでしょう。若者が「このまま日本で働いても仕方がないのではないか」と考え、海外で働きたいという人が増えていると考…
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引用元: ・「日本は穴の開いたタイタニック号」 海外に出る若者が鳴らす警鐘 [少考さん★]
ワーホリ=泥舟
もうただの機関紙
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