「ポスト岸田」候補を試した中国の領空侵犯
中国の軍用機による領空侵犯事件は、何が目的だったのか。私は「ポスト岸田候補の出方を探るためだった」とみる。その目的は達成された。
有力候補の1人、小泉進次郎元環境相は無反応だった。中国は「これなら、やりたい放題だ」と高笑いしているのではないか。
タイミングも絶妙だった。自民党総裁選と関連がある、と考えるのが自然だ。
中国の立場で考えれば、ここで挑発すれば、岸田文雄政権や総裁選の候補者たちが、どんな反応を示すか、を見極める絶好の機会だった。
岸田政権の腰抜けぶりは、2年前の非公式警察署問題への対応で明らかだったが、次の政権を狙う候補者たちが「中国の挑発にどんな対応をするか」を評価するチャンスだったのだ。
この程度の挑発で次の政権担当者が、どれほど動揺するか、激昂するか、あるいは無視するか、を事前に見極めることができれば、次の作戦を企画・立案するうえで、貴重な材料を得られるからだ。
進次郎がとった驚くべきリアクション
そこで、小泉氏である。
驚くべきことに、彼は「無反応」だった(28日時点)。ネットで検索した限り、小泉氏が、この事件に何らかのコメントをした形跡がない。有力候補の1人と目されている小泉氏の「無反応」は、中国にとって、今回の最大の収穫だったのではないか。
ベテランの石破氏や高市氏については、情報収集が進んでいたと思われるが、ライジング・スターの小泉氏については、情報が乏しかったはずだ。
その小泉氏が無反応ということは「こうした挑発に、彼はまったく準備がなかった」ことを示している。批判も警戒強化も言えないくらい、白紙だったのだ。
そうだとすれば、今後、挑発をレベルアップしていくと、どうなるか。「小泉政権になれば、右往左往して、ほとんど実のある対応ができない可能性が高い」。中国は、そう判断しただろう。周りを官僚が固めたとしても、重要案件で決定を下すのは総理なのだから、ドタバタするだけだ。
中国は大喜びしているかもしれない。「この調子なら、選択肢はいくらでもある。煮て食おうと、焼いて食おうと、オレたちのやりたい放題だ」と思っているはずだ。まったく、残念な展開である。
国民民主党の玉木雄一郎代表からもコメントが出た。
27日付の産経新聞は、玉木氏が「『日米の権力移行期に、我が国を試すような行為だ」と意図を推測した」と伝えている。
Xには「権力の移行時期に領空を犯す行為を仕掛けるのは、偶発的行為ではなく、計画的かつ戦略的な行為である。権力の空白を作らないよう、対処に万全を期すことが必要だ。中国には厳重に抗議する」と投稿している。
これは、私の受け止め方と同じだ。与党の政治家らに比べて、はるかに「芯を食っていた」と評価したい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ccb333c358dfe2246fe30ac4d025ff062af7c91?page=1
国を守る自覚に欠けた「総裁選候補者たち」
https://note.com/hasegawa24/n/n58d3f88354c6
とくに情けなかったのは、有力候補の1人に数えられる小泉進次郎元環境相です。
長谷川幸洋 はせがわゆきひろ
1953年千葉県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。ジョンズホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)で国際公共政策修士(MIPP)。77年に中日新聞社に入社し東京本社(東京新聞)経済部、ブリュッセル支局長、論説副主幹などを経て2018年3月末に退社。ジャーナリストとして活動中。
https://www.kouenirai.com/profile/6197
引用元: ・【長谷川幸洋】中国が領空侵犯で小泉進次郎がとった驚くべきリアクション 「無反応」・・・中国は「これなら、やりたい放題だ」と高笑いしているのではないか
気球に聞いて下さいの河野太郎よりマシ?
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