【英国の研究】エムポックスワクチンの有効性82％、ワクチン接種を受けた人で入院した人はいなかった、入院した人のうち、9人はワクチン未接種で、2人はワクチン接種状況が不明・・・2023年

イングランドでは、2022年7月にピークを迎えた後、ゲイ男性、バイセクシャル男性、男性と性行為をするその他の男性（GBMSM）を主な感染源とするMpox症例が減少し、2023年も低い水準を維持しました。

しかし、症例は2023年を通じて安定した頻度で発生し続けており、感染が継続していることを示しています。

世界保健機関（WHO）は、GBMSMに対するMpoxのリスクは中程度であると評価しています。

本研究では、研究者らは2023年のイングランドにおけるMPOXの疫学とMVA-BNワクチンの有効性を分析した。

研究者らは、2023年1月から12月までの非常に可能性が高いMPOX症例と確定症例の記録について、英国保健安全保障庁の第二世代監視システムにアクセスした。記録は患者と検体の識別子を使用して重複排除された。

mpox ワクチン接種データは、イングランドの国民保健サービス (NHS) から取得しました。全体的なワクチン有効性 (VE) が計算されました。

ワクチン接種を受けた GBMSM の割合は、各症例を、患者となる 2 週間前の時点での 1 回接種および 2 回接種の接種率と照合することによって推定されました。

その後、照合された接種率の平均が算出されました。ワクチン接種状況が不明な症例患者については、チームはこれらの症例が 0 回、1 回、または 2 回の接種を受けた患者に分布していると想定しました。

調査結果
2023年には、137件のMPOX症例が診断されました。そのうち、非常に可能性が高い症例は2件のみでした。ほとんどのMPOX症例（77%）はロンドン在住者であり、2022年の推定と一致しています。64件の症例は、症状発現前の3週間以内に英国外に旅行していませんでした。

このうち、58人がGBMSMでした。さらに、53件の症例で国際旅行が報告されており、そのうち43件は中東、ヨーロッパ、北米、アジア太平洋地域への旅行を含むGBMSMでした。

全体として、症例の 78% が GBMSM でした。21 例は、性的指向に関する情報がなく、MPOX 流行国への渡航歴のない成人男性でした。ほとんどの症例 (54%) はヒト免疫不全ウイルス (HIV) 陰性でした。これらのうち、74% は HIV 曝露前予防薬を使用していました。特に、HIV 陰性の症例の 22% は複数のパートナーとの性的接触を伴うイベントに参加したと報告し、19% は同時性感染症を患っていました。

症例のほぼ半数が部分的または完全なワクチン接種を受けていました。

ワクチン接種を受けた人のうち、20人は複数のセックスパートナーが参加するイベントに参加した。2022年7月から2023年12月の間に、77,543人のGBMSMがmpoxのワクチン接種を受けた。

2023年12月までのMVA-BNの接種率は、2回接種で50％、1回接種で37％と推定され、GBMSM全体の接種率は87％となる。VEは、1回接種で84％、2回接種で80％であった。全体として、VEは1回または2回接種で82％であった。

2023年には、ワクチン接種を受けた人で入院した人はいなかった。入院した人のうち、9人はワクチン未接種で、2人はワクチン接種状況が不明であった。

結論

MVA-BN の 1 回または 2 回の接種では VE は 82% でした。VE は 1 回よりも 2 回接種の方がわずかに低かったものの、その差は統計的に有意ではありませんでした。

注目すべきは、2023 年にワクチン接種を受けた人が MPOX で入院しなかったことです。これらを総合すると、イングランドでは GBMSM の間で MPOX の低レベルの市中感染が見られました。著者らは、根絶が達成されるまで低レベルの感染が続くだろうと推測しています。

MPOXの蔓延を抑制するには、高リスクグループに対するワクチン接種や健康促進など、継続的な警戒が依然として不可欠です。

https://www.news-medical.net/news/20240829/Mpox-persists-in-England-Strong-vaccine-effectiveness-stay-vigilant.aspx

Mpoxの疫学とワクチンの有効性、イングランド、2023年
https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/30/10/24-0292_article