自民内では、派閥パーティー収入不記載事件で打撃を受けた党のイメージ刷新に期待する声も強い。
後れをとるのが茂木敏充幹事長や林芳正官房長官らベテラン勢だ。将来の首相候補として要職を歴任してきたが、世論の期待感には結びついていない。
今後本格化する政策論争で「いぶし銀」の魅力を示せるかが焦点となる。
昭和期に権勢を振るった田中角栄元首相は、首相の条件として「党三役(幹事長、総務会長、政調会長)のうち幹事長を含む2つと、蔵相(現財務相)、外相、通産相(現経済産業相)のうち2つ」を務めたことに言及したとされる。田中氏自身、蔵相と通産相、幹事長と政調会長を経て首相に上り詰めた。
今回の総裁選で出馬が取り沙汰される候補のうち「角栄条件」に合致するのは、同氏が率いた田中派(木曜クラブ)の流れをくむ茂木派(平成研究会)の領袖(りょうしゅう)、茂木氏だけだ。これまでに外相、経産相、政調会長を歴任している。
だが、現時点では茂木氏の経歴や実績が、必ずしも総裁選を戦う有効な武器となっているとは言い難い。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が24、25両日に実施した合同世論調査では、出馬が取り沙汰されている国会議員12人のうち、誰が総裁にふさわしいかを尋ねる質問に茂木氏と答えたのは1・3%にとどまった。
実績が世論の支持に直結していないのは林氏も同様だ。林氏は不祥事に伴う閣僚交代のたびに緊急登板し、外相、防衛相、文部科学相、農林水産相などを歴任しており、「政界のピンチヒッター」と言われる。
党重鎮も「安定感なら林さんだ」と太鼓判を押すが、同じ世論調査での支持は1・0%。林氏は「政治改革をしっかりと議論し、国民の認知度が上がっていけばと思う」と語る。
また、官房長官や総務会長などを務めた加藤勝信前厚生労働相は推薦人20人の確保に至っておらず、連日奔走している。世論調査での支持は0・6%だった。石破茂元幹事長は世論調査の支持こそ21・6%と高いが、同僚議員からの人気に欠ける。
もっとも、党内には今回の総裁選がイメージ先行となることを危ぶむ声もある。
派(清和政策研究会)中堅は小泉氏らを念頭に、「内閣や党の中心に入ったことがない人が首相になっても、たかが知れている。学級委員長ではなく日本のかじ取りを担う人を選ぶのだから、目先の人気取りを考えたらダメだ」と話す。
総裁選は来月12日の告示後はテレビ討論なども活発化する見通しだ。茂木氏や林氏らベテラン勢はいずれも政策通で、説明能力の高さに定評がある。
豊富なキャリアに裏打ちされた政策論争を展開できるかが、世論の支持を逆転するカギになる。
https://www.sankei.com/article/20240829-IPBT5FBJZVORXKA5HN5PQZ7MVA/
引用元: ・【自民党総裁選】安倍派中堅 「学級委員長ではなく日本のかじ取りを担う人を選ぶのだから、目先の人気取りを考えたらダメだ」
その結果がこのザマなわけで
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