だが、外国人の雇用はいくつかの理由で簡単ではない。まず、日本はパイロットの給与が安いことだ。
ある業界関係者によると、日本航空(JAL)とANAホールディングスの機長の平均年収は約2500万円。デルタ航空だと12年の飛行経験のあるパイロットは約45万3000ドル(約6500万円)、アメリカン航空だと約48万ドル(約6900万円)だ。
外国人パイロットを受け入れるとなれば、社内の体制作りも不可欠だ。経営コンサルティングのカーニーでシニアパートナーを務める阿部暢仁氏は、日本の航空会社は非常にドメスティックで、「日本語を話さないパイロットを受け入れるために社内業務を一から見直さなければならない」のはハードルが高いという。
このほか外国人パイロットが転職してくることで、自身のキャリアアップが妨げられるといった不満もくすぶるという。
日本の多くの職業がそうであるように、パイロットは終身雇用の枠組みで捉えられることが多い。JALやANAのパイロットの多くは新卒採用されたか、航空大学校の卒業生だ。
この件について全日空乗員組合と日本航空乗員組合にコメントを求めたが、返答は得られていない。
いまのところ日本の大手航空会社に外国人パイロットはほとんどいない。JALの広報担当者よると、同社のパイロット約2000人のうち外国人は少数だ。また、関係者によるとANAは約2400人のうち外国人がゼロだという。
有識者委員会では、60歳以上のパイロットの有効活用に向けた制度見直しや、女性パイロットを増やすことなどが検討されるが、明確な解決策はまだ見通せない。
航空局安全部安全政策課乗員政策室長の藤林健太郎氏は、「目標に向けて増やしていく努力をする」と話した。
航空会社が十分なパイロットを確保できないとなれば、国としての機会損失につながりかねないが、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、「いずれにせよ6000万人誘致という目標は厳しいだろう」とみている。
馬鹿すぎんだろ、この国は
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