単なるパラサイトではなく、そこには現在の中国社会ではどうすることもできないという絶望感が漂う。
習近平政権下では経済運営の失敗により大量の若者が仕事にありつけておらず、そんな状況を「歴史的なゴミ時間」と揶揄する声も高まっている。
(福島 香織:ジャーナリスト)
(以下抜粋)
中国のSNSで最近みかける流行語の中に「爛尾娃」というのがある。ロイターその他外国メディアがこのほど一斉に取り上げたので、ちょっと気になった。英語ではrotten-tail kids(なりそこないの子供たち)と訳されている。
これは失業中で、収入がないために老父母の年金に頼って生活する若者層をさす。若者が親のすねをかじるパラサイト現象は今に始まったことではないが、この爛尾娃は単なるすねかじりとは違う、もっと絶望的なニュアンスを感じる。
中産階級家庭で子供の教育に散々お金をつぎ込んで十数年、やっと大学を卒業させたと思ったら、就職先はなく、自立して生活できずに、ついには実家に戻り親の年金を食いつぶす。これはまるで、老後の資産の足しにと思ってローンで購入した投機目的不動産が、資金ショートで未完のまま野ざらしになって価値を失った爛尾楼のようなものだ。
立派に成長してほしいと、高い教育を受けさせたのに、何者にもなれず、かけた教育費が回収できないどころか、「不良債権化」して老親に重くのしかかっていく。
中国の青年失業率が昨年4月に20%を超え、6月に21.3%を超えた段階で、中国は公式の青年失業率を発表しなくなった。同年3月に北京大学の張丹丹チームが行った調査研究で青年失業46.5%という数字が出ている。昨今の青年失業率問題は高学歴者でも仕事を見つけられないし、卒業後から数年たってもずっと仕事をみつけられない。今年の三中全会でも、この失業問題を解決できると期待できそうな処方箋は明示されなかった。
こうした仕事のない高学歴の若者たちの選択肢としては、フードデリバリーのような低賃金バイトで食いつないで就職のチャンスを探すか、学歴とは無縁の肉体労働系、単純労働系の仕事に就くか。あるいは就職をあきらめて、実家で老人たちのお世話をするか、ぐらいだろう。
現在の中国の青年失業率の上昇と、この問題が解決できない背景には、習近平政権の経済軽視がある。
特に不動産バブルを圧縮するという建前で行った「三つのレッドライン政策」という不動産融資規制によって、大手民営デベロッパーが連鎖的に破綻し、多くの再開発プロジェクトが資金ショートとなって、膨大な数の「爛尾楼」が誕生。事実上、不動産の市場メカニズムは完全に機能不全に陥っている。
中国の不動産業界は、GDPの約3割、投資の約4割、国民の資産運用の6割を占めるとされている。だが、実際は新たな不動産ができることに伴う波及経済効果なども含めれば中国経済の7割が影響を受けると言われている。
つまり、不動産市場に再び資金が巡り回復しない限り、今の中国のどうしようもない経済低迷の冬は明けない、と見られているわけだ。爛尾楼と同様、爛尾娃も不動産市場の崩壊とともに急増し、不動産市場の復活による中国経済の回復がかなわない限り、希望が見えないのだ。
日本のバブル崩壊よりもひどい「歴史的ゴミ時間」
失業率の上昇に歯止めが利かず、どうしようもない貧困、企業の投資意欲の低下、官僚の怠慢…今の中国の経済低迷は、個人の努力ではどうしようもない。なぜなら習近平政権の打ち出す政策が経済法則から完全に逸脱しており、中国は必然的に失敗に向かうしかないのだ。
中国の若者たちは今の時代を、日本のバブル崩壊後の失われた30年よりもさらに過酷な「中国の歴史的ゴミの時間」と呼び、一切の努力ややる気を放棄する「躺平主義」に徹することが、唯一自分の心と体を守る選択肢、というわけだ。
引用元: ・中国の最新バズワード「爛尾娃」とは?習近平の「歴史的ゴミ時間」に堕ちた高学歴ニート、老父母の年金頼みの絶望 [8/24] [昆虫図鑑★]
中国人も朝鮮人もレベルは同じだという証明でもある
外国へすら行かず国内だけで日本からもらった金と技術だけで発展できた国との差
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