岸田文雄首相は14日の会見で、総裁選への出馬見送りの理由を「国民の信頼回復のため」と説明した。不信を払拭(ふっしょく)できなかった政治リーダーの後継を争う今回の総裁選で、最大のテーマになるのは、政治不信の根っこにある裏金事件への向き合い方だ。
ただ、出馬に意欲を示す候補のうち、岸田政権と距離を置く石破茂元幹事長(67)が「きちんと有権者の信任をいただく(必要がある)。国民の審判という視点は欠かせない」、同じく非主流派の小泉進次郎元環境相(43)が「『新しい顔』にしたら政治とカネの問題を忘れてもらえるなんて大間違い」と、抽象論で批判する程度。19日に正式な立候補会見に臨んだ小林鷹之氏も含め、一様に踏み込んだ発言を避けている。
背景には、総裁選を勝ち抜くには、組織的に裏金作りを行った最大派閥の派の議員からも票を得なければならないとの思惑がある。踏み込んだ対応を示し、反感を買うのは得策ではないとの判断も見え隠れする。
政治資金規正法改正など、裏金事件を受けた一連の政治改革は、まだ道半ばだ。政治資金の使い道を検証する第三者機関のあり方は今後の議論に委ねられ、使途公開の義務がない政策活動費をめぐる年間の上限額の設定なども先送りされている。こうした「宿題」にどこまで具体的な論戦をかわせるか。首相の言う「国民の信頼回復」へのカギになる。(西村圭史)
「支持者は裏金議員ばかり」
小林氏は記者会見の冒頭、右手で「4」という数字を掲げ、若さをアピールした。「当選4回、40代、普通のサラリーマン家庭で育った私が派閥に関係なく、この場に立っている」。そして、こう訴えた。「国民に約束する。新たな自民党に生まれ変わることを」
初挑戦となる小林氏が会見でこだわったのは、刷新感だった。「脱派閥選挙の徹底」も掲げ、派閥横断的に「若手からベテランまで多くの信頼する同志」とともに党勢回復に取り組む姿勢を強調した。
保守的な党員や議員の取り込みを意識した発言もあった。憲法改正について、緊急事態条項と自衛隊の明記を喫緊の課題として挙げ、「最大限の熱量で取り組む」と強調した。
しかし、こうした勇ましい言葉とは対照的だったのが、裏金事件をめぐる政治改革への取り組みだ。
小林氏は「実態が正直よくわ…(以下有料版で,残り934文字)
朝日新聞 2024年8月19日 19時44分
https://www.asahi.com/articles/ASS8M3D7GS8MUTFK00CM.html?iref=comtop_7_02
引用元: ・自民総裁選、裏金向き合わぬ候補者たち「裏金議員の救世主みたいだ」 [蚤の市★]
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