【西谷格/ライター】中国では旧日本軍は絶対悪として位置付けられており、当時の日本兵は人間性を喪失した悪魔的な存在としてイメージされることが多い。旧日本軍の軍人に対し同情や共感、憐憫といった思いを呼び起こす情報は、しばしば「正しくないもの」として扱われる。
会見後、人民解放軍新聞メディアセンターの情報アカウントは、以下のように述べた。
「周知の通り、“神風特攻隊”は日本の軍国主義が生み出した狂気そのものである。そんな場所でいったいどんな歴史を学べるというのか。“平和”と“特攻隊”を一緒くたにするなど、とんだ笑い話である。日本の右翼勢力が歴史の改竄や侵略戦争の美化を続けていることが、十分に見てとれる。日本の著名人がそんな話題を語ったことは、驚愕に値する」
上海新聞広播は、かつて平和会館のある鹿児島県南九州市が特攻隊を世界遺産に登録しようとしたことを引き合いに出し、こう解説した。
「日本は長年、“神風特攻隊”を“悲劇の英雄”に位置付けようとしてきた。2014年には世界記憶遺産の登録申請を行ったが、中国や韓国などから一斉に非難され失敗に終わった」
平和会館は「鬼畜生を拝む場」
北京日報のコラム「長安観察」は、施設を以下のように説明する。
「会館は『平和』とは何ひとつ関係がなく、歴史の歪曲と侵略の美化を行う場所であり、右翼勢力を礼賛し鬼畜生を拝む場である」
その上で、早田の言動の背景には国家ぐるみの“洗脳”があると指摘する。
「日本の無条件降伏79年の今年、著名なアスリートがこのような言動に公然と及んだことは、彼女個人の愚鈍と無知だけが原因ではあるまい。日本の政府当局が国民に対して洗脳教育を行っていることと、密接な関係があるだろう」
コラム筆者は日本政府が事実を無視し歴史の改変を行っていると主張した上で、こう続ける。
「ウソも千回言えば、フィルターバブルのなかで“真理”が生まれよう。今の日本では戦犯を英雄と見なし、鬼畜生を拝む場所をもって国民精神を高める場とする認識が、国家ぐるみで広められている。こうしたなか、侵略を認めて歴史を省みることは、日本国内では非常に難しくなっている」
文末は、日本に反撃すべしとの結論で結ばれている。
(略)
「なんで神風特攻隊の会館に行きたいなんて言うんだ。(中国代表の)孫穎莎の髪を直してハグしているのを見た時は感動したんだが。申し訳ないけど、国家が第一。もう好きになることはないね」
「やっぱり日本人は歴史を正しく見ることができないんだな。日本人はどうしたって日本人。最初は尊敬に値するライバルと思っていたんだが」
中国において、歴史問題や領土問題は極めてセンシティブで注意を要するテーマと言える。日本の著名人や企業などが中国国内で一定の支持を得たいのであれば、戦争に関する話題や原発事故などの政治的なテーマには、一切触れない慎重さが求められる。仮に聞かれても「分からない、興味がない」とだけ返すほうが良い。一番安全なのは、そもそも興味を持たないことだ。
そのほか、満州事変(9月18日)、盧溝橋事件(7月7日)、南京事件(12月13日)、抗日戦争勝利記念日(9月3日)、五四運動(5月4日)、天安門事件(6月4日)といった中国にとって“センシティブな日”はすべて暗記し、その日は喜んでいるような投稿や明るい話題の発表を避けることが賢明だ。さもないと“反省していない”と見なされ、“中国人の国民感情を傷つけた”などと非難されかねない。
タブーの多い“日中友好”
靖国神社は言うまでもないが、中国人にとっては禁忌とされる神社がほかにも多数あるため、SNSや公の場では「神社に行った」などの書き込みもしないほうが良いだろう。また、台湾(中華民国)を国家と見なすような発言や、絵文字で台湾の国旗アイコンを使うことも避けた方がいい。
面倒くさいし理不尽に思えるかもしれないが、「中国人の支持を得たい」のであれば、どれも必要なことと言える。もちろん、そこまでして支持を得る必要はないと考えるのも、一つの判断だ。早田ひなの今後の動向に、注目したい。
西谷格(にしたに・ただす)
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/08191700/?all=1#goog_rewarded
引用元: ・「無知」「愚鈍」「洗脳教育」…中国メディアは「早田ひな」をどう論じたか 「石川」「張本」には「参拝したから惨敗した」[8/19] [昆虫図鑑★]
共産教近平派の中国メダル独占しまくりだよなw
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