また、子宮頸がんなど女性特有の病気や性にまつわる教育の課題とは何か?これらの啓発活動の最前線で活躍されている、一般社団法人シンクパール 代表理事の難波美智代さん(以下、難波)にお話を伺いしました。
―― シンクパールを立ち上げた理由を教えてください
難波)一般社団法人シンクパールは女性の健康教育と予防医療の推進、特にがんの一種である子宮頸がんの啓発に特化して活動をしています。
私自身、15年前たまたま受けた検診で『子宮頸がん』と診断され、その時に「人生のリスクは誰にでもある」ことを身を持って感じました。それと同時に、知らないか知っているかで人生は大きく変わってしまう、そしてそういう知るための情報にアクセスできる環境がこの日本にはないと課題を感じました。
―― 「こんな大切なこと、なんでいままで教えてくれなかったのだろう」に込められた想いは?
難波)当時(15年前)は教育の中で“がん”について教えてくれる環境がありませんでした。この活動をはじめ、毎年約1万人以上の方に直接、こうした“がん”の情報をお伝えてしていますが、15年経った今も当時と同じように「なんでこんな大切なことを教えてくれなかったんですか」と言われてしまうことがあります。
この伝えるということにゴールはなく、ずっと伝え続けるしかないと思っていますし、新しく信頼できる情報に触れることで意識や行動が変わる様子を目の当たりにし、最初のタッチポイントがあるかどうかで人生そのものが変わってしまうと考えています。
―― 子宮頸がんワクチンの認知度や接種率はどれくらいですか?
難波)現在『HPVワクチン』と言われているワクチンは、2009年10月に国内で承認され、12月から販売が開始されたものです。当時は「子宮頸がんワクチン」と呼ばれていました。2013年から定期接種化されて、小学校6年生から高校生1年生までは無料で打てるようになり、導入当初は接種率が80%前後もあったんです。
しかし、コロナのワクチン接種の際もそうでしが、ワクチンを接種することによる発熱や腫れなどの副反応が悪いイメージを想起してしまい、炎上のように扱われました。
それにより、厚労省が安全性の検証を目的に接種対象者への通知等をストップしたことで、2020年では接種率は0.1%程度まで下がってしまいました。
自己負担だと10万円程度の費用がかかるワクチン接種が無料で受けられるので、この機会にぜひ受けていただきたいのと、3回の接種をするのに半年かかるので、計画的に1回目の接種は2024年9月末までに打ってほしいというのがあります。
ワクチンの安全性と有効性に関しても、WHO(世界保健機関)はすでに5回の検証を行い「安全なワクチン」であることは世界的にも発信していて、厚労省も積極的に推進をしていますし、全国の病院ネットワークができるなどのフォロー体制も充実しています。
実は20代、30代のがん患者の約8割が女性なんですよね。50代前半までは圧倒的に女性が多く、女性本人だけではなく、働きざかりの男性のパートナーにも影響があるため、社会や組織にとっても啓発活動が大切だと言われています。
その若い世代の“がん”の中でも、高い割合になっているのが、子宮頸がんです。ただ、この子宮頸がんは、WHOが史上初の世界戦略として、唯一撲滅の対策が進められている「予防できる“がん”」とされているんですね。
検診とワクチンが予防の手段なのですが、検診やワクチンをしていないと、私が15年前に子宮頸がんになった時のように、痛みや痒みも感じてないのに、子宮を全摘出するまでに進行してしまっているということもあるんです。
いきなり「出産できない」という現実を突きつけられて、当事者の女の子たちは「何でなの?」というやるせない気持ちを抱えながら生きていかないといけなくなります。
いまは結婚することも出産することも選べる時代になったと思いますが、私は自分が子宮を失ってはじめて「産まないことと、産めないことは全然違う」と痛感しました。
だからこそ、それを正しくお伝えしたいと思って活動をしています。
引用元: ・【20代、30代のがん患者の8割が女性】シンクパール 代表理事の難波美智代さん 「私自身、15年前に子宮頸がんと診断された、知らないか知っているかで人生は大きく変わってしまう」
全てが若い女のガンはエロに特化し過ぎたせいですよwww
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