ピーク時の1923年には、インドだけで80万人以上の死者が出るほどの大流行だった。
このほど発表された論文によると、エルニーニョ現象が、コレラ菌の新株の急速な拡散に、大きな役割を果たした可能性があるという。
エルニーニョ現象とは、太平洋東部において、海面の水温が平年より上昇することによって発生する、地球規模の気候現象だ。
この海域での水温上昇が、周囲の海水温、さらには全世界の海流の速度へと、連鎖的に影響を及ぼしていく。
学術誌『PLOS Neglected Tropical Diseases』に2024年8月1日付で公開された掲載された論文の著者たちは、「同時多発的、かつ極端に感染者数が多いコレラの流行が発生した原因として考えられる理由の1つとして、広範な地理的領域に影響をおよぼす異常気象が挙げられる。
もう1つの理由としては、コレラ菌の新株の発生がある」と説明している。
「我々の研究で、1904年から1907年にかけて発生した特異的なコレラ流行の大きな要因として、気候が一定の役割を果たしていることを裏づける、複数の結果が見つかった。さらにこの要因が、コレラ菌新株の定着を促進したと考えられる」
この論文の主著者で、スペインにあるバルセロナ国際保健研究所(ISGlobal)所属のザビエル・ロドをはじめとする研究チームは、次のように述べている。
「(研究対象とした)特定の期間、ならびにそれに続く数年にわたる、(コレラ菌の)拡散を促進するような気象条件の存在が、コレラの発生を促進する役割を果たしている可能性がある。さらには、コレラだけでなく、水ならびに生物によって媒介され、ゆえに環境と密接に関連するその他の病原菌の発生に関わっていることも考えられる」
研究チームはまず、複数の情報源をもとに、1893年から1939年にかけての気候データを入手した。次に、これらの気象条件の記録に、複数の統計および計算ツールを適用し、これと並行して、冒頭で触れたパンデミックの期間中にインドで発生したコレラによる死者数を地域別に分析した。
その結果、1904年から1907年にかけてのコレラによる死者の増加パターンが、季節ごとの温度および降水量の特異なパターンと時期的に連動していることが判明した。
この変動パターンは、エルニーニョ現象によるものである可能性があるという。同時に、このパンデミックのさなかに、コレラ菌新株の発生が認められた。
ロドと論文共著者メルセデス・パスクアルは、プレスリリースで以下のように説明している。
「気象条件の変動、もしくは病原菌の進化による変異は、伝染病の大規模な流行やパンデミックの重要な要因だ。しかし、これら2つの要因は、異例なまでに規模の大きなアウトブレイク(感染症の突発的大量発生)の発生過程を説明しようとする(過去の)研究では、別々の要因として検討されることが多かった。【略】
この論文において我々は、これら2つの要因が連動して働き、相乗作用によって、病原菌の新株の確立および広範な拡大を引き起こしているという間接的なエビデンスを提示している」
「(新株の発生が)検知されてから、感染拡大が既存株を上回るまでにタイムラグがある可能性も判明した。これは、気象条件のもたらす影響が、発生時期を超えて長期におよぶ可能性を示唆している。
コレラの場合は、バングラデシュ全域でモンスーンによる降雨分布がより頻繁になると、(病原菌の)伝播と(新株の)発生がより頻繁に起きやすいことが示唆される」と、研究チームは論文で説明している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8791c5c552d41adac979af0bd8be95a6035824dc
引用元: ・【研究結果】異常気象が新型コレラ株の拡散を誘発する可能性・・・ピーク時の1923年には、インドだけで80万人以上の死者が出るほどの大流行
わくのこのこのここ4たんたん笑
グルジアストーン達成にはあらゆる手段を尽くさないといけない
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