日本地震予知学会会長、静岡県立大学客員教授の長尾年恭氏は「今回の日向灘の震源は想定震源域のちょうど端、またM6.8以上だったので、自動的に調査中になる。
『巨大地震注意』が初めて発表されたが、M7.0以上の地震が起きた時に出すと書いてあり、これもある意味機械的に出たものだ。
気象庁の記者会見では、異常なゆっくりすべりは今回起きていないこともわかったので、非常に深刻な注意情報ではないと考えていいと思う」と説明。
一方で、「ゆっくりすべりが起こった場所のひずみは解放されるが、それ以外の上下側・東西側は逆にゆがみが溜まっている。テーブルクロスの1カ所を引っ張るとそこは動くが、両側はしわが寄ったりするわけだ。要するに、歪みを隣の場所に移す現象であり、危険性が高くなっている点は非常に心配している」と述べる。
また「1週間何も起きなかったら安全になるわけではない」と警鐘を鳴らす。
「会見では、“普段よりも数倍地震の確率が高くなった”と言っている。“今後1週間ぐらい”ということだが、これに全く科学的な根拠はなく、人が避難をして耐えられるのが1週間ぐらいだろうということ。特別養護老人ホームや、津波の浸水域の方は避難あるいは備えをしてくれというもので、やはり津波に対する準備が一番重要だ」。
■南海トラフは「必ずくる。しかし、いつかは我々専門家にもわからない」
南海トラフは100年から200年のペースで繰り返し地震が発生し、想定震源域は西側と東側に分けられている。長尾氏は「安政東海地震と安政南海地震は32時間後に起きた。
昭和東南地震と昭和南海地震は2年空いているが、地震学ではほぼ同時と言っていい。300年前の宝永地震はいっぺんに破壊したと考えられている。
歴史的には東側から割れることが多いが、コンピューターシミュレーションの進歩や古文書の詳細な解析を行うと、西から割れた時に九州の沖合が引き金となることもあるようだとわかってきた。そのため震源域が広がり、宮崎県の沖合も想定震源域に入った」と話す。
南海トラフ巨大地震の被害想定は、東日本大震災よりも大きい。死者数は、東日本大震災の1万9775人(今年3月8日時点)に対し、32万3000人、被害総額は約16兆9000億円に対し、220兆3000億円となっている。
背景にあるのが津波の到達時間で、静岡の焼津市や和歌山の太地町・串本町、高知の室戸市などは、高さ3mの津波が3分で到達すると予測されている。
長尾氏は「一番の違いは地震と陸地までの距離。東日本の時は最低でも20~25分あったが、南海トラフは揺れている間に津波が来る。死者数もその点が非常に大きな要因となっている」と説明。
さらに、「南海トラフ巨大地震は必ずやってくる。2030年代は可能性が高くなり、2040年、2050年ぐらいまでにはほぼ確実に発生するだろうと言われている」とし、「ロシアンルーレットのように、弾がどこかの断層に入っている。引き金を引いて今回は出なかったかもしれないが、次か、次の次かもしれない。
よく『南海トラフ巨大地震はきますか?』 『これだけこないなら大丈夫ではないか?』と質問されるが、我々ですら“必ずくる。しかし、いつかわからない”という状況だ」と明かした。
https://news.goo.ne.jp/article/abematimes/nation/abematimes-10137943.html
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引用元: ・【日本地震予知学会会長・長尾年恭氏】「南海トラフ地震は必ずくる、しかし、いつかは我々専門家にもわからない、東日本大震災の時は最低でも20~25分あったが、南海トラフは揺れている間に津波が来る」
20年後とか職人消えてそう
南海トラフ歴史
1498年 M8.4
↑
107年
↓
1605年 M7.9
↑
102年
↓
1707年 M8.6→49日後富士山大噴火
↑
147年
↓
1854年 M8.4
↑
90年
↓
1944年 M8.0
↑
80年
↓
今年
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