そして無数の個人投資家の助けを借りて東京で台風をつくり出したのだ。ウォール街のチョウは、市場を破壊する巨大なモスラに変身したのかもしれない。
外国為替取引は最も不穏な様相を呈している。円建てで借りてメキシコ・ペソで運用するという人気戦術のリターンが突然悪化。
キャリートレードはレバレッジを用いることが多いため、このような状況は最悪の事態を招く可能性がある。東京市場の動きは、単なる調整をはるかに超えている。
日本銀行は先週、国債購入額を半減させると発表したばかりだ。しかし、2日の市場開始以来、日本国債の利回りは2営業日としては今世紀最大の下げを記録した。
先週初めからの10年物国債利回りの推移を見てみよう。3つの円は順に、日銀会合、日本市場がFOMC決定に反応する最初の機会、そして米国の失業率データに反応する最初の機会だ。日銀が動きに寄与しなかったというわけではないが、他の力が働いたことが分かる。
他の力とは何か。日本の投資家は海外の資金運用を選好している。米株式市場の並外れたパフォーマンスと歴史的な円安が組み合わさると、日本の投資家にとって素晴らしい結果となる。
外国人投資家もキャリートレードを通じて円建てで借り入れ、他の場所に投資することを好むが、これらの投資家が海外の保有資産を清算して円建ての借り入れを返済することで、さらに円高が進む。
日経平均株価は5日の取引開始後すぐに7%下落した。つまり、弱気相場の典型的な定義である20%下落を、わずか3週間で記録したことになる。
5日朝に日本株が急落した理由があるとすれば、ドル・円相場が心理的な壁である1ドル=150円を割り込んだことだろう。
これほど大きな混乱は危険だ。レバレッジをかけていた誰かが大きな損失を出すと、他の人々も順番に強制的な売りを出さなければならなくなる。
ニュースレター「Japan Optimist」を発行するベテランアナリストのイェスパー・コール氏によると、日本は経済面だけでなく金融面でも米国に依存している。
「世界の金融市場において、すべては米国に始まり、米国に終わる。米国のリセッションリスクが高まるにつれ、ドルの上昇サイクルは終焉(しゅうえん)を迎える。闘ってはいけない。バフェット氏は現金保有高を過去最高に引き上げたばかりだ。
将来にもっと安く買えるとみているからだ。日本の投資家も同氏に続くだろう」とコール氏は論じている。
日本の投資家が米国の巨大な蛾(ガ)から身を守ろうとする行動は、他の場所で事故を引き起こす可能性がある。例えば、キャリートレードから手を引くということは、メキシコ・ペソを売るということだ。自国の北に位置する超大国の通貨との為替レートは、メキシコ経済にとって極めて重要だ。
これは、東京でチョウが羽ばたき、他の場所でドラマを起こすというケースではない。むしろ、日本はニューヨークとワシントンのチョウが引き起こす波に襲われているのだ。大きな金融事故のリスクは明らかだ。
それを食い止められるかどうかは、主に米国で次に何が起こるかにかかっている。
バークシャーは大口投資家であり、バフェット氏のファンも多いが、バークシャーの売却自体が大きな打撃を与えることはないはずだ。
とはいえ、世界で最も尊敬される投資家が巨大テクノロジー企業7社のいわゆる「マグニフィセント・セブン」から手を引き、現金2769億ドル(約39兆4000億円)の山を築き、その先にある買いのチャンスに備える姿は、動揺したセンチメントにとって良いものではない。
バフェット氏も東京の急落の責任を共有している。次のステップは、米国の個人投資家がビッグテックへの忍耐を続けるかどうかだ。
よりにもよって個人に翻弄されておわるとか草www
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