■ その後も柔道で“誤審”疑惑が相次ぐ
“疑惑の判定”には、準々決勝終了後、日本男子の鈴木桂治監督、金野潤強化委員長らが抗議したが、覆らなかった。
SNS上には、不可解な判定を批判する声だけではなく、審判や相手選手を誹謗中傷するコメントも数多く投稿された。
今大会の柔道の判定では、他にも懐疑的な目が向けられたものがある。
7月30日に行われた男子73キロ級の準々決勝だ。日本代表の橋本壮市選手(パーク24)が、地元フランスの選手と対戦し、3つ目の指導を受けて反則負けを喫した。
この判定について「相手の選手のほうが攻めてないように見えたのだが…柔道難しい」「なんか納得いかない。攻めてたのは橋本選手なのに」などの投稿が相次いだ。「やっぱ今回の審判団おかしくね?」という投稿を紹介した記事もある。
日本代表だけがこうした状況に追いやられているわけではない。角田夏実選手(SBC湘南美容クリニック)の女子48キロ級準決勝。対戦相手のスウェーデンの選手が3つ目の指導を受けて敗れ、畳の上で両手を広げて抗議する場面があった。
■ SNSの声を紹介するだけの「こたつ記事」
オリンピック競技となった柔道は、「JUDO」として国際的な発展を遂げていった。海外では、自国の格闘技と融合した技なども編み出され、競技ルールも変更が重ねられている。
審判の判定には映像判定が導入され、実質的には主審の判断だけで決着しない仕組みになっている。だからといって、誤審が絶対に起きないわけではない。
4年に一度のオリンピックはアスリートや競技が注目される絶好の機会だ。メディアに求められるのは、こうした事態に瞬時に対応した検証記事を出すことではないだろうか。
担当記者は競技に対する知識を備え、ルールも網羅しているはずである。それでも不足があれば、柔道会場に大勢いる関係者、過去のメダリスト、あるいは自社の評論家に聞き、踏み込んだ主張を入れた記事を書いてもよかったのではないだろうか。
判定に疑惑が生じた、SNS上に誹謗中傷の書き込みがあるなどと、事象を紹介する記事だけでは、明らかに物足りない。さらに言えば、ネット上の投稿だからといって、メディアが主審や相手選手を誹謗中傷するようなコメントを引用して紹介することも疑問だ。
各社のデジタル担当と呼ばれる記者がSNSなどを検索して、過激なコメントをPV稼ぎのために引用する。会社にいても執筆可能で「こたつ記事」と呼ばれる所以である。
メディア側は「コメントを紹介しただけ」と言い逃れするのかもしれないが、こうした記事が誹謗中傷を助長させているなら、事態は深刻だ。
一方で、これだけ話題になっているのだから、しっかりと検証し、誤審なら誤審だという根拠と説得力のある記事を出せばいい。実際、柔道の判定に対する疑惑は過去にもある。
(全文はソースでご確認下さい)
引用元: ・【パリ五輪】柔道の相次ぐ“誤審”疑惑で多発した「こたつ記事」、SNSの反応を紹介するだけでは新聞離れが加速する [鉄チーズ烏★]
自分でSNSに書き込んで、その書き込みを記事にしている可能性まである
コメント