一度感染した人も要注意!押さえたいポイント
現在、国内で流行中のコロナは以前とどう違うのか。
埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科の岡秀昭医師は、「6月から急に患者が増え始めていて、6月後半からはコロナ関連の肺炎による入院も増加しています」と話す。軽症者は若年層を中心に増加しているという。
現在のコロナ感染再拡大は、日本国内だけでないようだ。
「アメリカやイギリスなどでもいま、KP.3などのオミクロン系統の変異株が流行しています。日本もKP.3が中心です。KP.3は以前の株に比べて感染力が非常に強く、過去に感染した人や、ワクチン接種者でも感染しやすいのが特徴です」(岡医師)
岡医師はKP.3の主な症状についてこう説明する。
「強い喉の痛みを訴える人が多く、咳や38~39℃の高熱が出やすく、倦怠感もかなり強い。一方で、これまで多かった味覚障害や嗅覚障害などの症状は、かなり減っている傾向です」
これまで、インフルエンザや風邪などのウイルス感染症は冬場に大流行する傾向があった。今回、夏場に感染が拡大しているのはなぜだろうか。
「変異株により感染しやすくなっていること、マスクなどの予防策がとられなくなっていることに加え、猛暑ということもあり、ずっと窓を閉め切ってエアコンを回し続けていると、換気が不十分になることが多い。これが感染を蔓延させる要因となっている可能性があります」(岡医師)
岡医師は「持病がなく、症状が軽い若い人たちには、自宅静養」を勧めている。
「軽症であれば、風邪のときのように自宅での静養で十分な回復が見込まれます。発熱から5日間は感染力があるので、その間はできるだけ外出しないこと。
もし、外出が必要な場合は他人への感染を防ぐため、発熱後1週間程度はマスクを着用しましょう」
ところで、コロナは「ただの風邪」とみていいのかどうか。これについては、そうとはいえないようだ。
例えば、コロナではさまざまな後遺症が残ることも報告されている。特に「ロングCOVID」と呼ばれる後遺症は、咳や倦怠感、息切れなどが数カ月にわたって続くことがある。特に若い女性に多い傾向があるという。
「ロングCOVIDにより、就業が困難になるケースもあります。度重なる感染によって後遺症の頻度が高くなるというデータもあるので、若い人もコロナにはやはり、かからないにこしたことはないです」(岡医師)
ワクチン接種は、これらの後遺症の発生リスクを減らす効果もあることがわかっている。岡医師は「後遺症のリスクを減少させるためにも、重症化リスクの低い若い人であっても、ワクチン接種は意味があります。ただし、コストと副反応のバランスから、接種するかどうかはその人の考え方次第」と述べる。
ワクチンの感染を予防する効果は、半分まで弱まる(半減期)のが接種後100日と短い。それでも、重症化の予防効果はその後もある程度続く。
今後も、特に高齢者や持病がある人は追加摂取が重要だ。そのときの流行株に合わせ、定期的な追加接種を受けることが推奨される。
今年10月からは、65歳以上の高齢者と、60~64歳の重症化リスクが高い人を対象に、接種費用の一部自己負担によるワクチン定期接種が始まる予定だ。
最後に、猛暑の続く夏場の流行にどう対応すればいいか聞いた。
「何よりエアコン使用中にも定期的な換気が必要です。扇風機やサーキュレーターを使ってもいいでしょう。つねに空気が循環するような、空気の流れを作ることが大切です」(岡医師)
「重症化率が下がり、すでに一般的な感染症となった現在、以前のようにつねにマスクを着けている必要はありません。過度な人混みに出かける際や、
医療機関を受診する場合、咳や喉の痛みなどの自覚症状がある場合、あるいは感染者に接触するときは、できるだけマスクを着用するなど、メリハリをつけて感染予防をしましょう」(岡医師)
https://toyokeizai.net/articles/-/785426
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引用元: ・【変異株KP.3】埼玉医科大学・岡秀昭医師 「発熱から5日間は感染力があるので、その間はできるだけ外出しないこと、外出が必要な場合は他人への感染を防ぐため、発熱後1週間程度はマスクを着用しましょう」
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