世界的な投資家であるウォーレン・バフェット氏が日本の五大商社の株を取得したと判明してから約4年が経過した。
この間、商社の株価は伸び続け、最近もバフェット氏は“日本の商社の成長性を評価”と明らかにしている。
商社の好調ぶりは賃金にも表れている。
大企業(従業員1000人以上)平均年収ランキングを見ると、2011年時点でも、三菱商事を筆頭に五大商社はトップ10にランクインしていた。
しかし、23年になると1位こそ精密機器製造販売のキーエンスに譲ったものの、以下2~6位を五大商社が独占。
三菱商事が平均年収を1300万円台から1900万円台にアップさせるなど、軒並み平均年収を500万円前後、上昇させた。
商社は日経平均株価への寄与も大きく、現在の株高を牽引する。そんな大手総合商社の社員たちのリアルな生活と本音はいかなるものなのか。
大手総合商社勤務の男性(30代・係長級)が言う。
「年収は約2000万円です。ボーナスの割合が大きくて年収の半分、1000万円ほどを占めます。私の年収は平均くらいですが、社長賞を取るような同期だと年収で2300万円は貰っているはずです」
さすが、現代の勝ち組である商社マンと言えよう。また、その昇給の仕組みについてはこう解説する。
「入社当時の大卒初任給は約20万円でした。残業代は付いたものの、1年目はボーナスもなく、年収は300万円程度。2年目で700万円になり、そこから管理職になるまで、入社から10年ほどは毎年約100万円ずつ年収が上がりました」
こちらの大手商社では、一般的に入社13~14年目で年収2000万円の大台に到達するのだが、
「そこから8~10年間は停滞します。次の昇給は、課長などの役職に就くタイミング。だいたい20年目で課長になるケースが多く、課長で年収2500万円。30年目あたりで部長に就けば、年収3000万円というイメージです」
この点、別の大手総合商社の関係者は、
「部長クラスで4000万円、常務取締役ともなれば1億2000万円の役員報酬を得ます。また、部長クラス以上になった者は退職金も1億円を優に超えます」
と、まさに桁違いの収入面を明かすのだが、前出の男性は商社での働き方について以下のように述べる。
「若い頃は徹夜仕事もありましたし、上司が帰るまで帰れない文化もありました。21時過ぎから同僚と飲みに行ったり、接待に行ったり。週4日は飲んでいた」
しかし、コロナ禍で様変わりしたようで、「コロナ流行後は、リモートワークが推奨されて、仕事は個人の裁量に任されるようになりました。働く時間も自分で決められるように。飲み会も以前に比べて劇的に減りました」
彼には共働きの妻と小学生の二人の子供がいる。コロナ期間中、家族のために墨田区に3LDK75平米の中古マンションを5500万円で購入したのだという。
「住宅ローンの上限は1億5000万円。同期は30歳を超えたあたりから、港区などの都心に1億円前後のタワマンを購入するのが一般的でした。なので、自分のマンションの価格は相当、安い方になります」
代わりに彼は余剰資金を別荘の購入に充てた。同じコロナ期間中に、関東の海辺にある民泊用の施設を3500万円で買い取ったのである。
「コロナが収束したら観光客が戻ってきて、値上がりすると見込んだのです。資金をキャッシュで持っているよりは得だと思って。実際、現在は民泊用の宿泊施設として活用しています。月平均で50万円近くは売り上げています」
また、彼は不動産以外に株への投資も行っており、自社と他社の株を全部で700万円分ほど保有しているのだが、「悔やまれるのは、マンション購入の際に自社株の大半を売却してしまったことです。ウォーレン・バフェットが20年に日本の五大商社株を大量購入してから、商社の株価は急激に上がりました。うちの会社で一番裕福なのは、30年近く前に入社し、コツコツ自社株を積み立てていた人です。特に独身の一般職の方で、億り人になった女性は一人や二人ではありません」
引用元: ・【現代の勝ち組】日本の五大商社のリアル・・・入社13~14年目で年収2000万円、部長クラスで年収4000万円、一般職も自社株で億り人に
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