トヨタ自動車(以下、トヨタ)の豊田章男会長が報道陣に向けて発したこれらの心情を巡って、ネットやSNSではバチバチのバトルが過熱している。
ただ、その一方で、バトルの中には「日本経済にとってマイナスになるのでは」と心配してしまうようなビミョーな主張もある。例えば、「トヨタが日本を見捨てたら日本人はもっと貧しくなる」というものだ。
しかし、だからといって、「トヨタが日本を見捨てたら日本人がもっと貧しくなる」というのはさすがに飛躍している。データに基づく論評とは言い難く、「なんとなくこんな感じじゃね?」的なムードに流された盛った話だと言わざるを得ない。
日本人が貧しいのは、先進国の中でも「異常」なほどの低賃金だから、ということは今さら説明の必要がないだろう。では、なぜこんなに低賃金なのか。「トヨタが日本を見捨てたら日本人がもっと貧しくなる」というほどトヨタに依存しているのなら、今の日本人が貧しいのはトヨタにも責任がなくてはつじつまが合わない。つまり30年続く低賃金の原因は、トヨタの業績が悪い、もしくは賃金が安いからだということになってしまう。
ただ、ご存じのようにそんな事実はどこにもない。
トヨタの業績は極めて順調だ。日本の上場企業で初めて営業利益が5兆円を突破、春闘でも4年連続満額回答で、賃上げ幅は1999年以降で最高水準だという。アナリストが大好きな「トリクルダウン」というやつで、子会社や関連企業にもトヨタの賃上げが波及している、らしい。
では、この4年、日本人の賃金はどうなったのかというと、どんどん悪くなっている。OECD加盟34カ国の中で日本は韓国、イタリア、スペインと次々と抜かれて2022年は25位で「二軍」扱いだ。しかも、岸田政権になってから実質賃金は26カ月連続マイナスで、リーマンショック時を超える記録を更新中だ。
日本経済を左右するトヨタが好調で、すさまじい勢いで賃上げをしているのに、なぜわれわれ一般庶民には恩恵がないのか。なぜトリクルダウンの「ト」の字も聞こえてこないで、どんどん貧しくなっているのか。
この現象を説明できる答えは1つしかない。「トヨタ自動車」と「日本人の貧しさ」はダイレクトには関係ないということである。ただ、こんな回りくどい話をしなくとも、日本経済の客観的なデータを見ればそれは分かりきった話だ。
詳しくはこちら(抜粋)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b83131776a67acde69e73405e5c3664053d184b4
引用元: ・【経済】「トヨタが日本を見捨てたら、日本人はもっと貧しくなる」説は本当か
安心して出ていってもらおう
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