この研究が発表されて以来、オハイオ州立大学の科学者たちは、COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2ウイルスがどのようにしてこのヒト分子の破壊的な活動を促すのかを調査し、何が起こっているのかを完全に説明するために必要な一連の手順と、被害を阻止するための潜在的な戦略を概説した。
国立衛生研究所（NIH）からの助成金は、急性SARS-CoV-2感染症の治療法の決定的な答えと新しい治療法の開発、そして理想的には長期にわたるCOVID-19の予防に向けた5年間の追求に資金を提供する。この助成金は、オハイオ州立大学における感染症研究への資金提供としては最大規模となる。
2022年に発表された研究では、SARS-CoV-2に感染したマウスで、この分子であるカスパーゼ11と呼ばれる酵素を阻害すると、炎症や組織損傷が軽減し、動物の肺の血栓が減ったことが示された。
研究者らはまた、この酵素のヒト版であるカスパーゼ4が、集中治療室に入院しているCOVID-19患者で高発現していることを発見し、この分子が重症疾患に関連していることを裏付けた。
NIHが資金提供したこの新しい研究では、ウイルス感染に反応してカスパーゼ11が複数の細胞に複合的な影響を及ぼすという予測に基づき、肺以外にも調査を拡大する。
つまり、体と脳の炎症を悪化させ、免疫反応を妨げ、小血管に血栓を生じさせるのだ。
研究チームはまた、遺伝子活性化中に発生し、細胞機能を変化させる宿主とウイルスのRNA修飾が、SARS-CoV-2感染によってどのように形成されるかについても調査する。
調査対象となっている影響を受けた細胞の多くは、免疫反応に関連しています。免疫反応には、あらゆる外来侵入者に対する身体の第一防衛線である自然免疫反応と、特定の病原体に対する後期の特定の反応である適応免疫の両方が含まれます。研究者らは、臓器表面と血管壁を覆う細胞（それぞれ上皮細胞と内皮細胞）と RNA 修飾も調査します。
オハイオ州立大学医学部の微生物感染・免疫学教授であり、この助成金の連絡主任研究者であるアマル・アマー氏
これらすべてをまとめると、SARS-CoV-2の流行中にすべての細胞とすべての臓器に何が起こるかについての基本的な理解を科学界に提供すること自体が成果です。」
「メカニズムが分かれば、何を標的にするか、どこを標的にするか、どのように標的にするかを設計して、被害を軽減することができます」とアマー氏は言う。
「そしてこれは特に長期のCOVID-19に必要です。脳に感染しているかもしれないし、筋肉に感染しているかもしれないし、あらゆるところに感染しているかもしれないのです。それがこの病気の重要な側面なのです」
「COVIDによる死亡の2大原因は、サイトカインストームと制御不能なウイルス複製だ」とリー氏は言う。
「どちらか一方だけを阻害するのは理想的ではない。両方を阻害できれば、より優れた治療アプローチにつながる可能性がある」
「カスパーゼ11を阻害すると、肺組織や血液脳関門、脳組織にダメージを与える多くのサイトカインが除去される」とアマー氏は言う。
「これをウイルス複製の阻止と組み合わせると、SARS-CoV-2感染による死亡者や重症者を減らし、長期のCOVID感染者が経験する感染後症状を軽減するのに非常に効果的となるだろう」
引用元: ・【米オハイオ州立大学研究】新型コロナウイルスに感染後、カスパーゼ11と呼ばれる酵素が体と脳の炎症を悪化させ、免疫反応を妨げ、小血管に血栓を生じさせる
チアノーゼとも似てるな
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