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「あいつは天才」
佐野容疑者とピッチでプレーした選手達は「あいつは天才」と口をそろえる。日本代表経験者がズラリとそろう鹿島でもその存在感は際立っていた。相手のチャンスの芽を摘み、攻撃の起点となる。フィジカルが強く、ボールをつなぐ技術も高い。スタミナも抜群で90分間走り回る。
その名は高校時代から知れ渡っていた。米子北高では1年の時からレギュラーでプレーし、チームの中心選手になった。
だが、3年冬の高校サッカー選手権では県大会すべての試合で出場どころかベンチ入りもしていない。県大会を勝ち抜いた後の全国大会で4か月ぶりに公式戦に出場しているが、それまでの背番号「7」ではなく、「27」をつけていた。
高校時代から佐野容疑者を見てきたJリーグクラブの強化部スカウトはこう語る。
「佐野を含む複数の部員が合コンに参加したことが分かり、その席で飲酒、喫煙があったことから謹慎処分を受けたと聞いています。佐野も酒を飲んだりタバコを吸ったりしたのか真相は分かりませんが、連帯責任になったのでしょう。実力だけで言えば高校レベルでずば抜けている選手の一人でした。J1のクラブからオファーがなかったのは、この件が少なからず影響していると思います。争奪戦になっても不思議ではなかった選手ですから」
「恥ずかしがり屋だがピッチに立つと変わる」
このエピソードだけでは素行不良の印象を受けるが、関係者に話を聞くとイメージが異なる。佐野容疑者を取材したスポーツ紙記者がこう語る。
「恥ずかしがり屋で、自他共に認める極度の人見知りです。仲のいい選手が『あいつはなかなか心を開かない。仲良くなるのは時間が掛かるタイプです』と笑っていました。癒し系で愛されるキャラクターですが、輪の中心で盛り上がるタイプじゃないですね。取材でも報道陣とあまり目を合わさず、小さな声で話している印象がありました。ただ、ピッチに立つと猛烈な勢いで相手からボールを奪い取る。そのギャップが魅力でしたが……。ボランチは長谷部誠、遠藤航、松木玖生を筆頭にリーダーシップを発揮する選手が多いですが、佐野は言葉で表現するのが得意ではない。職人気質の選手ですね」
関係者の話によると、鹿島では穏やかな性格の選手と行動を共にすることが多く、人混みが苦手で雄大な自然に囲まれたキャンプが趣味だったという。ただ、引っ込み思案の性格と違った一面も。前出のスポーツ紙記者が明かす。
「シャイでしたがあのルックスなので女性人気は高かった。自分から飲み会を開くタイプではないが、飲みの場は好きだったようです。ただ、酒が入ると羽目を外してしまうことがあったと聞いたので、ちょっと危ないなと感じていました。話すのが得意なタイプではないので、アルコールの力を借りていたのかもしれない。サッカー一筋の人生で世間知らずの部分があったと思います。新たな挑戦で希望と共に、言葉が通じない海外のクラブでチームに溶け込めるか不安があったでしょう。ドイツに行く前にストレス解消したかったのかもしれないが、付き合う人間を含めてなぜ冷静に判断できなかったのか……。今回の件は常識に欠けているでは済まされません」
「有罪なら実刑になるのでは」
不同意性交罪が確定すれば、5年以上の有期拘禁刑となる。
「今回の事件は3人の男が1人の被害者に対して犯罪に及んだということで悪質性が高い。有罪なら5、6年の実刑判決になるのでは。執行猶予が付くことは考えにくい」(警察関係者)
まだ23歳。無限の可能性を秘めた若武者だったが、自らチャンスを手放してしまった。
引用元: ・不同意性交容疑で逮捕のサッカー日本代表・佐野海舟…「天才」で「極度の人見知り」、酒で羽目を外す一面も [Ailuropoda melanoleuca★]
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