「朝か夜かもわからない…ストレスから高さ60cmのゴミ山をワンルームいっぱいに築いてしまった30代男性」
「シングルマザー『バレないようにコソコソ生活している。』誰にも相談できず、全部屋ゴミ屋敷に」
【閲覧注意・写真】30代男性が使っていた風呂・トイレのビフォーアフター
これらは異例な状態ではなく、20~30代にも急増しており、はたから見ていても全くわからないと話してくれたのは、関西圏でお片付け事業などを展開している株式会社スッキリン(兵庫県西宮市)の西岡巧貴さん。同じように悩む人に向け、当事者たちの許可を得た上で、YouTubeで片付けの様子を配信しています。
なかでもシングルマザーの動画では、子どものために片付けの依頼を決心したお母さんの思い、仕事でのストレス・育児・コロナ禍で抑うつ状態になりゴミを捨てられなくなった悔しさ、スタッフのテキパキとした清掃の様子、キレイになった自宅に喜ぶお子さんの様子が紹介され、大きな反響が寄せられています。
「ゴミ屋敷」といえば、一人暮らしのお年寄りや病気等でゴミを捨てられなくなってしまったり、「もったいない」という思いからモノがどんどん増えていったり、「比較的高齢の方」いうイメージがありますが、近年の現場では若い世代も増加しているといいます。
年間10000人以上の方からゴミ屋敷や汚部屋に関する相談を受けているという同社の代表取締役である西岡巧貴さんにお話を聞きました。
遺品整理や生前整理と、ご高齢の方向けに展開していたが…
――ここ数年の相談件数の推移は?
弊社への問い合わせ件数ベースになりますが、この4、5年で3倍以上に増えています。また、問い合わせの年齢層にも変化が見られ、もともと遺品整理や生前整理といったご高齢の方向けに展開していたサービスにおいてゴミ屋敷やモノ屋敷のお片付けをさせて頂くケースが多かったのですが、コロナ禍以降は20~30代の新社会人や子育て世代の方からの相談が急増しています。
――若い世代の家の片付け動画も多数公開されていますね。原因と思われるのは?
増加の原因としては2つ考えられます。1つ目は、ストレス社会による鬱やセルフネグレクト患者の増加や、リモートワークの普及による孤立化といった社会変化によるゴミ屋敷件数の増加です。特に若年層に多くみられます。
2つ目は弊社のような業者がメディアで紹介されたり露出機会が増えたことで、今まで問い合わせに至っていなかった層が行動を起こす機会が増えたことです。
高齢化による独居老人の増加や、人間関係の希薄化といった社会傾向は今後も続くと考えられるため、ゴミ屋敷(モノ屋敷や汚部屋を含む)の件数は増加していくと考えています。また、季節性の要因もあり、夏は近隣の方から臭いが原因での問い合わせも増えてきます。
――コロナ禍がきっかけとなったケースの依頼も?
非常に多いです。コロナ禍以降、ゴミ屋敷以外にも遺品整理(特殊清掃を含む)なども激増しています。私たちの業界トレンドは人々のライフスタイルの変化に敏感なため、それだけ外に出られなくなった方や、人とのお付き合いが減ってしまった方、例えば集合団地における老人会のゲートボール大会のような社交場が無くなってしまった方が多いのかなと感じています。
――場合によっては、福祉や行政へ繋ぐことも?
もちろんあります。生活保護を受給するための窓口や、高齢者であれば地域包括支援センター、児童相談所など専門の窓口に繋ぐことはかなりあります。
――整理・掃除のプロとして様々な案件を請けていらっしゃるのですね。
「社会貢献」を全社員の共通認識として日々尽力しています。この“片付け”業界は社会福祉や環境など様々な領域と関わりのある分野横断的な業界です。
それゆえに「ゴミ屋敷」という一つの現象をとっても、例えば不動産オーナーからの問い合わせであったり、ゴミ屋敷に住むご両親を気遣ってその息子様から問い合わせがあったりなど、様々な方から、様々なバックグラウンドをお抱えの状態でお問い合わせを頂きます。なので、その方達の“負”を解決していくためには、様々な事情に徹底的に寄り添う事が重要になってきます。
引用元: ・増える20~30代のゴミ屋敷、5年で3倍以上の問い合わせ [PARADISE★]
コメント