(尾中 香尚里:ジャーナリスト、元毎日新聞編集委員)
3位に沈んで増幅した蓮舫への中傷
7日に投開票が行われた東京都知事選は、事前予想通りに現職の小池百合子氏の3選で幕を閉じた。「現職が負けたことがない」難しい選挙にリスクを取って挑戦した立憲民主党(出馬にあたり離党)の蓮舫前参院議員は、ふたを開ければ小池氏だけでなく、新人の前広島県安芸高田市長、石丸伸二氏にも及ばない3位に沈んでしまった。
結果はともかく、野党第1党として都知事選を「捨て試合」にせず「与野党ガチンコ勝負」の構図を創り上げた蓮舫氏の挑戦を、少なくとも筆者は高く評価したいと思う。
訴えの内容も(聞く人の政治スタンスによって好むと好まざるとの差はあるだろうが)立憲の理念を体現しており、小池氏との選択肢となる役割はおおむね果たしていた。「ひとり街宣」のように、若い世代などが政治へのファーストコンタクトになり得るきっかけも提示した。
もちろん、大敗した選挙結果については、蓮舫陣営も立憲民主党も多くの課題を見いださなければならない。だが、選挙の良し悪しは勝敗のみで判断されるべきものではない。外野が騒ぐほど酷い選挙だったとは、筆者は思わない。
ただ、6月16日公開の記事(「蓮舫いじり」あふれ出す東京都知事選…アンチの“罵詈雑言”にみる、辟易するほど劣化しきった日本政治の現在地)でも指摘した蓮舫氏やその周囲への数限りない中傷が、蓮舫氏の敗戦によってさらに増幅されているさまは見るに堪えない。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/81554
あ然としたのは、こうした言葉がネット上の多数の匿名の個人でなく、既存の大手メディアから大手を振って流れ始めたことだった。
NHK「2位じゃダメ」をモジって冷笑、日テレも時事も…
都知事選は「小池圧勝」「石丸旋風」「蓮舫惨敗」などなど、候補者の勝敗からさまざまな考察がなされている。だが、筆者がこの選挙で最も強く感じたのは、弱い立場の者を徹底的にあざ笑うことを恬として恥じない、この日本社会の薄ら寒い情景だ。
小池氏と蓮舫氏の出馬で、有力候補の2人が女性となった選挙戦。世界経済フォーラム(WEF)のジェンダーギャップ指数が政治分野で146カ国中113位という日本で、首都決戦がこうした構図になったことには、感慨深いものもあった。
しかし、ネットメディアの記事などでは「『男を踏みつけた』蓮舫『男を利用した』小池百合子、仁義なき女の戦い」といった「女性同士の戦い」をやゆする見出しが踊り、筆者は早々にげんなりさせられた。
それでも選挙期間中は、こうした言葉はさほど多くなかったと思う。選挙期間中の報道自体が少なかったことも関係したのかもしれない。しかし選挙が終わった途端、特に敗れた蓮舫氏に対し、メディアの側から個人攻撃にも等しい言葉があふれ出した。
(略)
※全文はソースで。
引用元: ・NHKの蓮舫氏いじり、石丸氏の「頭ポンポン」…東京都知事選が映し出した「弱者への冷笑」を是とする暗澹たる日本の情景(尾中香尚里氏) [少考さん★]
自分がやるのは良い、他人からされるのは嫌は通らねえよ
じゃあ何も触れないのが正解か?
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