池上曽根遺跡で紀元前700年代の柱 弥生人の木材利用法に新たな謎
https://mainichi.jp/articles/20240710/k00/00m/040/276000c
弥生時代の集落跡、池上曽根遺跡(大阪府和泉市、泉大津市)で見つかった大型建物の柱材を再調査したところ、建物の推定築造年代である紀元前50年代よりはるかに古い紀元前700年代を示す木材が含まれていたことが分かった。10日に和泉市教委などの研究グループが発表した。これだけ年代幅のある材が同じ建物に使われる例は国内で他になく、弥生人の木材利用法を巡って新たな謎が浮かび上がった格好だ。 全国有数の規模を持つ環濠(かんごう)集落跡である池上曽根遺跡では1995年、弥生時代中期の大型建物跡が見つかった。26本あった柱のうち18本の柱材が残っており、中でも状態の良かったヒノキの5本を「年輪年代法」で調査したところ、1本が「紀元前52年」に伐採あるいは枯死したことが96年に判明。建物もこの頃に建てられたことが分かり、出土した土器などから当初1世紀前半と考えられた年代が100年近くさかのぼると注目を集めた。
年輪年代法は年輪幅のパターンで伐採年などを調べる手法。精度が上がったことから、2022年に奈良文化財研究所の光谷拓実・名誉研究員が5本の柱材を再調査した。その結果、紀元前52年の柱以外の4本が、紀元前3~8世紀、もっとも古いもので「紀元前782年」との結果が得られた。これら4本は伐採年を知るために必要な樹木の表面付近が残っていないため正確な時期は分からないものの、光谷さんによると、同じ建物でこれだけ年代幅のある結果が出た前例はないという。正確性を期すため23~24年に国立歴史民俗博物館(歴博)などが別の技術を使った「酸素同位体比年輪年代法」で調査したが、同様の結果になった。
引用元: ・弥生人「700年前に伐られた木材で建物建てるか」意味不明だと話題に [237216734]
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