【米研究】コロナワクチン接種は小児喘息の症状軽減につながる、接種率が10％上昇するごとに、親が報告した小児喘息症状の割合が0.4％減少

喘息は当初、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2（SARS-CoV-2）感染と、それに続くCOVID-19による入院の重大な危険因子であると考えられていた。

医療専門家は、喘息のある子どもがパンデミック中に特に脆弱になるのではないかと懸念していた。

パンデミックの初期段階で社会的距離の確保を促進または強制したさまざまな対策の中には、喘息に関連する子供の救急外来受診や入院を減らす効果があることがわかった。

同様に、2020年と2021年のワクチン接種の取り組みにより、子供と大人の両方でSARS-CoV-2に感染するリスクが大幅に減少した。

COVID-19 のワクチン接種は、喘息症状の軽減など、追加の予防効果をもたらす可能性があります。ただし、これらの潜在的な効果は研究されていません。
さらに、COVID-19 による病気への曝露、緩和戦略、および小児の症状性喘息との関係は不明のままです。

研究者らは、横断的研究デザインと公開データを用いて州レベルの傾向と関連性を調査し、COVID-19パンデミック中の公衆衛生対策が小児の喘息症状にどのような影響を与えたかをより深く理解しようとした。

分析には、2018～2019年と2020～2021年に全国児童健康調査を通じて親が報告した、子供の喘息症状の有病率に関するデータが含まれていました。

これらのデータは州レベルで収集されました。

追加データには、米国疾病予防管理センター（CDC）による2020年と2021年の年齢調整済みCOVID-19死亡率、COVID-19の一次ワクチン接種を受けた5歳以上の人口の割合、2021年8月までの閉鎖空間における州レベルのマスク着用義務などが含まれていた。

保護者の報告による小児喘息症状の州レベルの有病率の変化は、2018～2019年と2020～2021年の間に記録されました。

小児喘息症状の平均率は、2018～2019年の7.8％から2020～2021年の6.9％へと大幅に減少し、全体で0.85パーセントポイント減少しました。

注目すべきは、この減少が、広範囲にわたるワクチン接種やマスク着用義務化など、COVID-19を制御するための公衆衛生上の重要な取り組みの中で起こったことです。

同じ期間に、州レベルでのCOVID-19による平均死亡率は、2020年と2021年にそれぞれ10万人あたり80.3人から99.3人に上昇した。2021年12月までに、州レベルでのCOVID-19ワクチン接種率は平均72.3％となった。

線形回帰分析の結果、COVID-19ワクチン接種率が10パーセントポイント上昇するごとに、親が報告した小児喘息症状の割合が0.4パーセントポイント減少することが示された。しかし、喘息症状とCOVID-19による死亡率、または州レベルでのマスク着用義務との間には有意な関連性は見られなかった。

州レベルのCOVID-19ワクチン接種率は、2021年にはCOVID-19による死亡率と負の相関関係にあったが、2020年にはそうではなかった。比較すると、マスク着用義務化はワクチン接種率の上昇と正の相関関係にあった。

これらの調査結果は、ワクチン接種率を高めることで、COVID-19の予防だけでなく、小児の喘息症状の発生率を低下させる可能性があり、より広範な健康上の利益が得られる可能性があることを示唆している。

結論
COVID-19ワクチン接種率の高さは、親が報告した小児喘息症状の減少と関連していたが、州レベルのCOVID-19による死亡率とマスク着用義務の間には有意な相関は見られなかった。

研究結果は、パンデミック中の健康リスクを軽減する上でのワクチン接種の重要性を強調している。

COVID-19ワクチンの広範な接種は、小児喘息症状の有病率を低下させるなど、より広範な健康上の利点もあるようだ。

https://www.news-medical.net/news/20240708/COVID-19-vaccination-linked-to-reduced-symptomatic-child-asthma.aspx

COVID-19ワクチン接種と親が報告した小児喘息の有病率
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2820710