プラネットナインの実在を示す「史上最強の証拠」を新発見!
2024/6/30(日) 19:01 宇宙ヤバイch2024年4月、カリフォルニア工科大学などの研究チームが、プラネットナインが実在する最高の統計的証拠を得たと発表しました。
●プラネットナインとは?
太陽系には現在、8つの惑星が知られています。
太陽から近い順に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星です。以前までは冥王星が第9の惑星として扱われてきました。しかし2006年に冥王星は「準惑星」に再分類されています。
その理由は観測技術の進歩により、冥王星が存在する海王星以遠の領域(太陽系外縁部)に、冥王星に匹敵する規模の天体が数多く発見されるようになったためです。
研究者たちは惑星を再定義し、「準惑星」という新たな天体分類を設けることで、惑星の数が不用意に増加するのを防ぎました。
では海王星以遠の遠く暗い領域に、未発見の第9惑星は実在するのでしょうか?これまで明確な観測的根拠をもとに、いくつかの第9惑星の候補天体の存在が予言されています。
その中でも、2016年にカリフォルニア工科大学の研究チームが予言した、天王星の大きさに相当する太陽系外縁部の氷惑星は特に「プラネットナイン」と呼ばれており、有名な仮説天体の一つです。
引用元: ・太 陽 系 第 九 惑 星 [896590257]
●プラネットナインの最強の証拠を発見
2024年4月、カリフォルニア工科大学などの研究チームが、プラネットナインが実在する最高の統計的な証拠を得たと発表しました。
研究チームはプラネットナインと、太陽系外からの重力的な影響を考慮し、それらによって太陽系外縁天体の軌道がどのように変化するのかを、コンピュータシミュレーションで分析しました。
その結果、ある特殊な公転軌道を持つ太陽系外縁天体が連続的に生成される可能性が判明しました。
特殊な公転軌道とは具体的に、地球の公転軌道面に対する傾き(軌道傾斜角)が40度未満であり、かつ遠日点は数百auも彼方にあるが、近日点が海王星軌道(30au)よりも内側にあるような軌道です。
このように一時的に海王星の内側に食い込むような軌道は非常に不安定であり、このような天体はいずれ太陽系のより遠い領域へ飛ばされるか、太陽系を完全に飛び出してしまうこともあるといいます。
よってこのような天体が現在の太陽系にも存在するとすれば、そのような天体の軌道が、プラネットナインなどの影響で常に生成されていることを示唆します。
実際、傾きが小さく、遠日点が遠いが海王星軌道以内まで食い込んでくる特殊な公転軌道を持つ太陽系外縁天体は、いくつも見つかっています。○本当にプラネットナインが原因なのか?
研究チームは、実際の太陽系にも存在する特殊な公転軌道を持つ外縁天体が、本当にプラネットナインの影響によって生成されたのかを、観測的なバイアスにも配慮した上で分析しました。
するとプラネットナインがある場合とない場合で、明らかにこれらの天体の近日点の分布が異なることが判明しました。
これらのグラフの横軸は、各外縁天体の軌道長半径、縦軸は近日点の太陽からの距離を示しています。
プラネットナインがない場合、海王星の重力的な影響により、天体たちの近日点は海王星軌道付近に維持されます。
一方でプラネットナインがあると、それに接近した外縁天体の公転軌道の近日点が変化するため、全体的には均等に分布しているように見えます。
実際の観測では、特殊な公転軌道を持つ17個の天体が発見されており、それらは海王星以内で均等に散らばったような近日点分布をしています。
これはプラネットナインが存在することを示すものとして、これまでで最高の統計的な証拠だとのことです。
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