5月、大谷がロスに12億円の豪邸を購入したことについて、日テレとフジは過剰な現地報道を行った。セレブを狙った犯罪が頻発する米国において、自宅が特定可能な報道は大谷のみならず、妻の真美子さんに危険が及ぶ可能性がある。これが大谷の怒りを買ったのだ。
「大谷は、マネジメント会社を通じて日テレとフジに自分の映像を使用しないように通達しました。急遽、スポーツ番組などの映像差し替えを余儀なくされたため、局内は蜂の巣をつついたような大騒ぎとなりました」(日テレ関係者)
その後、両局は大谷から映像の使用許可を得たのだろうか。
「日テレもフジも大谷の映像を流すためメジャーリーグには10億円近い契約金を支払っています。『MLBから買っている映像については流していいのでは』と局内で判断し、曖昧なまま試合の活躍のみ報じているのです。
ただし、オフショットや練習シーン、真美子夫人とのツーショット映像など試合以外の映像に関しては過去素材も含めて使用できません。いま両局は、あらゆるツテを辿って大谷サイドに接触を試みているところです。しばらくは大谷の特番を作ることができなくなってしまったと、経営陣は頭を抱えています」(前出・日テレ関係者)
日テレとフジが、必死になって大谷との関係を回復しようとするのも当然だ。大谷の映像を流せるか否かによって、番組の視聴率は驚くほど変わってくるという。
「大谷を取り上げたコーナー企画の視聴率は毎分ペースで右肩上がりになります。番組視聴率を平均3%前後も押し上げる勢いと言っていい。
特に、真美子夫人に関する映像や球団のイベントに参加した映像は数字が跳ね上がります。スポーツに関心のない女性視聴者層も食いつくのが、ピッチ外の大谷と真美子夫人の話題なのです」(同前)
それだけに、試合映像しか流せないのは大きな痛手というわけだ。
大谷がテレビ局にもたらす利益は、視聴率だけではない。「CM放送枠」の売り上げも莫大だという。民放キー局の編成担当者が内情をこう明かす。
「大谷を広告モデルに起用した企業は、多くの視聴者に大谷が出演するCMを見てほしいため、局が販売するCM枠を積極的に買います。
たとえば視聴者が多いGP帯(午後7~11時)の番組のCM枠は、3ヵ月契約で5000万~6000万円、年間だと2億4000万円近くかかりますが、大谷と契約した企業は惜しげもなくカネをつぎ込みます」
また、大谷とスポンサー契約を交わしていないとしても、大谷の特番に自社のCMを流したいという企業は多いという。
「大谷の特番で、自社CMとともに『この番組は○○の提供でお送りします』と流される効果は絶大です。その場合、CM枠は4000万~5000万円と超高額。
レギュラー番組とは違い、放送は一度きりの特番だけですからね。それでも一瞬で売り切れてしまいます」(同前)
絶大な宣伝効果があるからこそ、数多の大手企業も大谷を広告塔に起用して、自社製品を売ろうと画策している。
大谷が現在、契約しているスポンサー企業は西川、興和、コーセー、三菱UFJ、JAL、KONAMIなど、その多くが日本企業だ。
最近では伊藤園がグローバル契約を締結、国内外85ヵ所以上で広告ジャックを展開し、ニューヨークの中心地・タイムズスクエアに巨大広告を出したことが話題となった。
では、スポンサー企業は大谷にどれほどの額を支払っているのか。大手広告代理店の中堅社員はこう語る。
https://gendai.media/articles/-/132379
https://gendai.media/articles/-/132380
引用元: ・【1コーナーで視聴率が3%上昇・一回5000万円の特番CM枠が一瞬で売れ切れる】テレビ局が逆らえない 「大谷経済圏」の「ヤバすぎる規模」
テレ東「出禁、使用禁止・・・そういう逆境の中から新しいモノが生まれるんだよ」
ニューバランスのように自社製品を試合で使ってもらう場合は数十億円単位になるはずです。明石家さんまとタモリでCM1本あたりのギャラが1.5億円、俳優の堺雅人が1億円ですので、あらゆる有名人のなかでも大谷は群を抜いています。
ちなみに、CMなどでドジャースのユニフォームを着せる場合は球団にも2億円近く支払わないといけません」
CM出演やスチール撮影(静止画)といった稼働を大谷に一切させず、大谷サイドが用意した素材を宣伝に使う「出演契約」だけでも最低1億円はかかるという。
それほど膨大なカネがかかっても、企業が投資するのは経済的リターンが見込めるからだ。
たとえば、伊藤園の「お~いお茶」は、東北地区における1店舗あたりの販売本数が前年比25.5%増となった。
昨年に契約を交わした人材紹介サービスのdipは、大谷を広告に起用したことで、16.5億円の効果があったと発表している。
また、化粧品メーカー・コーセーの主力ブランド「コスメデコルテ」も、昨年に大谷を広告塔に起用したことで売り上げを大幅に伸ばした。
大谷がCMやポスターに登場した初日の百貨店における新規購入数は通常時の3.6倍、オンラインショップの販売個数は約20倍に達したという。
つまり、出演料に3億円がかかったとしても余裕でペイできるわけだ。
なぜ大谷が広告モデルになるだけで人は購買意欲が高くなるのか。CM総合研究所の代表・関根心太郎氏はこう分析する。
「我々は毎月3000人に、CMに関するアンケートを行っています。そのなかには『このCMに好感度を持った要因』として15項目を挙げているのですが、大谷選手は『説得力に共感』という項目がずば抜けて高い。
WBCの活躍を見ればわかるように、大谷選手はドラマチックな自身の物語を、現在進行形で日本人に見せ続けています。そんな男が発する言葉や使う商品に間違いはないはずだ、と老若男女が感じているのだと思います」
膨大な利益を得ているのは広告に起用する企業ばかりではない。広告を打つためには切って離せない広告代理店も、「大谷効果」で大儲けしているという。前出の広告代理店中堅社員が語る。
「大谷を起用するほど力の入った企業は、宣伝に10億円近く予算をつけています。その場合、大まかにCM制作費に1億~2億円、出演料に3億円、テレビCMや新聞広告、ネット広告など媒体費に5億~6億円はかかる。
こうした宣伝すべてに関わっているとなると、広告代理店には1億円近く実入りがあります。長引く不況で宣伝費をかけない企業も多いですが、大谷のおかげでメディア業界は潤い始めています」
大谷が活躍すればするほど企業は広告モデルとしてCMに起用するし、そうなればテレビ局や広告代理店がジャンジャン儲かっていく。大金が飛び交うのも納得だ。
企業の広告戦略に関わってきた桜美林大学准教授(広告論)の西山守氏はこう解説する。
「芸能界や音楽業界の細分化が進んでしまったいま、国民的ヒーローと言える存在は大谷選手しかいません。今後、広告価値は上がる一方でしょう。
結婚して『家庭』のイメージもついたので、家庭用品や日用品を扱う企業が、大谷を起用する可能性は高いと思います」
日テレとフジは、それほどまでに「巨大コンテンツ」と化した大谷との関係性が破綻してしまったわけだ。大慌てするのも無理はない。両局にとって、何より気がかりなのは秋だという。
「11月からのオフシーズンは試合がないので、プライベートな映像を流す以外に大谷の近況を伝えられません。このまま映像を使えなかったら番組の視聴率は急落し、CM枠も売れなくなる。いまは大谷との関係性を修復することが、何よりも優先事項となっています」(前出・日テレ関係者)
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