番組に出演していた元厚生労働省官僚の千正康裕(せんしょうやすひろ)さんが、官僚たちの置かれた苛酷すぎる状況を詳述した著書『ブラック霞が関』を発表したのは2020年のこと。それから4年近くがたち、民間企業が「働き方改革」を進める中、指導する立場の官庁では相変わらず残業を強いる状況が改善されていないようだ。
官僚の仕事量を増やし、残業が避けられない原因の一つが、国会対応の業務である。その実態を同書から見てみよう(以下、『ブラック霞が関』から抜粋、再構成しました)。
(略)
野党合同ヒアリングで答えられない官僚
国会以外にも、国会議員が官僚に説明を求める場面はたくさん存在する。個別の国会議員が説明を求める「議員レク」、文書で資料を求める「資料要求」、そして各政党の会議への出席依頼だ。これらも、国会議員や各政党が政策を議論するための説明だから、民主主義のプロセスとして大切な仕事だ。とはいえ、不祥事や政権を追及するようなテーマの時の野党合同ヒアリングは、精神的にかなりきつい。
2000年代半ばからこうした会議はテレビカメラ入りで行われるのが通例となり、テレビで放映されるようになった。最近はインターネットでも動画配信される。議論が国民から見えるようになったのはよいことだが、テレビが入るとなると追及する議員側も厳しく追及する姿勢を見せたいという事情もあり、時にはパワハラに近いような追及も見られる。
もちろん、野党が必要とする回答や情報を政府が出さないから、より追及が激しくなるというケースもあると思うし、政府は説明責任を果たすべきとも思う。ただ、官僚の判断で勝手に野党に新しい回答をすることは許されていない。善し悪しはさておき、政権の立場からすれば、追及のネタを提供するなと考えるのは当然だろう。従って野党に新しい回答や情報を提供するためには、大臣など役所にいる政治家の幹部の了解が必要となる。
つまり、野党合同ヒアリングに出席している官僚は、ゼロ回答をしなければならない前提で追及の矢面に立つことになるので、要領を得ない説明を繰り返すことになる。
野党が不祥事などを追及する会議に、回答の権限を与えられていない官僚を出席させて、「厳しく追及している姿を国民に見せる」以上の意味があるのかは疑問である。回答する権限のある政治家の幹部が説明すべきだろう。政策がテーマなら詳しい官僚が出て行って説明すればよいが、森友学園、加計学園、桜を見る会の問題などは政権の姿勢を追及する話なのだから政治家同士で議論すべきと思う。
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官僚を問い詰める姿は「絵」になる。また官僚、官公庁をチェックするのも政治家の役割である。しかし官僚を疲弊させることは、決して国益につながるものではないことを少なくとも政治家は肝に銘じるべきではないか。
引用元: ・【野党の追及】政治家の「パワハラ」は「ブラック霞が関」を強化する 追及パフォーマンスの副作用とは [nita★]
みんな民間技業で働けば、
官僚いなくなるよw
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