2024年6月の時点で、ダムの容量は27%未満だ。夏が始まる中、2300万人が暮らす巨大都市は災害の瀬戸際に立たされている。
メキシコシティが受けている影響は、今のところ壊滅的だ。地元の水道局のデータを分析したところ、550以上の地区で水道水が止められたり、水圧が下げられたりしている。
これらの節水措置により、住民は不定期で高額な給水車の水を、集められる限りの容器に溜めなければならない状況だ。
すぐにでも豪雨が降らなければ、メキシコシティのカツァマラ水道システムは6月下旬に、水の供給が止まる「デイゼロ(Day Zero)」に陥る恐れがある。
それは、メキシコシティの4分の1にあたる地域で、これまで水不足を免れてきた地域も含めて水道が完全に干上がることを意味する。
市内の水の約70%を供給している地下水は流れ続けるだろうが、その地下水も危機に瀕している。
「私たちは本当にひどい状況にあります」と、元国家水道委員会長で、野党のアドバイザーでもあり、メキシコシティの「デイゼロ」のデッドラインを広めるのに貢献したホセ・ルイス・ルエゲ氏は言う。
「現時点で、私は奇跡が起こることに賭けています」
世界中で、気候変動が干ばつを悪化させ、無計画な開発や水道インフラの老朽化によってすでに打撃を受けている都市部を未曾有の状況に追い込んでいる。
「デイゼロ」という考え方は、節水キャンペーンを加速させるために世界中で使われており、人々に危機感を持ってもらうのに役立つことが証明されている。
以下では、水不足に最も悩んでいるいくつかの都市が「デイゼロ」の恐怖とどのように向き合っているかを紹介しよう。
コロンビアの首都ボゴタでは、飲料水の3分の2以上を供給するチンガサダムの容量が17%という驚異的な低さまで落ち込んだため、2024年4月以降断水が続いている。
800万人の人口を抱えるボゴタ市内各地で、月に3回水道が止められ、毎月の割当量を超過した世帯には数百ドルの罰金が科される。
「市全体が節水モードに入らなければいけません」と、カルロス・フェルナンド・ガラン市長は警告し、「パートナーと一緒にシャワーを浴びるか、家を出る予定がないならシャワーを浴びないように」と絶望的な状況を反映した公共広告を発表した。
専門家は、ボゴタが節水措置を実施するのが遅すぎたと批判しているが、この節水政策によりチンガサダムの水位は上昇し、6月初めには36%を超えた。
それでも、ダムが目標量に達する10月まで、節水措置は続く可能性がある。
2019年、インドの沿岸都市チェンナイは「デイゼロ」に直面した。4つの主要なダムが完全に干上がり、減り続ける地下水とトラックによる水の輸送に1000万人の住民が依存する状態になったのだ。
「水を得るために多くの時間とリソースを費やさなければいけませんでした」と、世界資源研究所(WRI)インド支部の持続可能な都市・交通プログラムの上級プログラムマネージャーを務めるラジ・バガット・パラニチャミ氏は言う。
現在、インドで最も水不足が深刻なのはデリーだ。最近、住民が給水車に群がる映像が撮影され、ネットで広く共有された。
23日にはようやくモンスーンによる雨が降り始めたが、川に接する各州の間で結ばれた水分配協定は、専門家からは不十分だと言われており、紛争を引き起こしている。
観光地として名高いバルセロナでは2024年、水の供給の減少によって観光業と地元住民の対立が激化し、誹謗中傷の応酬にまで発展した。
2024年3月、3年間の干ばつを経て、テル・リョブレガット川のダムの水位は史上最低の15%以下に達し、緊急給水制限が発動された。
引用元: ・【世界中で、気候変動が干ばつを悪化させている】「水道が枯れる日」が迫りくる世界の都市、メキシコシティほか
関東も今年は雨不足っぽい
コメント