これから山火事が起きやすい季節を迎えるなか、ワシントン州のある消防隊が注目されている。
山火事の際、燃え広がらないよう事前に木や草などを燃やし除去する「火入れ」や拠点となるテントの設営、現場の調査など、様々な仕事をこなす消防隊員。
特に変わった様子は見えないが、彼らには意外な経歴がある。
アルカディア20 ブリッジズさん
「誰だって人生の中で間違った判断をします。でも、私たちは自分の過ちから学びます」
「アルカディア20」と呼ばれるチーム。実は、受刑者らによって構成されているのだ。
ワシントン州では、更生プログラムの一環で、およそ230人の受刑者が消防作業に参加している。アルカディア20は、その中で能力に秀でた受刑者を選抜した「エリート消防隊」なのだ。
メンバーの一人、ブリッジズさんはギャング関連の銃撃事件を起こし、過失致死の罪で懲役10年の判決を受けた。
ブリッジズさん
「社会に恩返しをしていることが実感できます。誰かをできる限り助けているのです。だから、私は頑張れるのです」
アルカディア20の隊員は、消防作業に関わる技術と同時に、社会に認められるということも学んでいく。
更生プログラムスタッフ ハーディン氏
「彼らは社会に対して自分たちに価値があることを証明したいと思っています。そして、消防隊員として日々それを証明しているのです」
隊員には自由度の高い生活や受刑者としては破格の給与が支払われ、基本給は最高でおよそ60万円。年収は、手当てを含めると1000万円近くと、矯正施設の職員より収入が多い人もいる。
アルカディア20の監督者 フッド氏
「消防士として働くのだから、消防士と同じ給与を支払うべきです」
また、刑期を終えた隊員は、そのまま消防局に就職する人もいて、新たな人生を歩み出すきっかけになっている。
実際、ブリッジズさんも今月3日に刑期を終え、ワシントン州で消防士として働き始めた。
山火事に対応する消防士が不足しているという現状がある。BBCによると、アメリカの消防士の人数は1984年から2020年にかけて20万人以上減少したという。そのため、AP通信によると、消防署を閉鎖する地域も出てきているというのだ。
消防士が減っている要因について、ガーディアンは「精神的・肉体的な負担に加え、政府の予算不足により宿舎などが老朽化し、劣悪な環境で生活せざるを得ないことから離職者が増えている」と指摘している。
こうした人材不足の中で注目されているのが、受刑者による消防隊だ。
AP通信によると、カリフォルニア州、フロリダ州、オレゴン州、ワシントン州などで受刑者が消防士として活躍しているそうだ。
しかし、一日あたり300円程度の給与しか支払われない場合がほとんどで、アルカディア20のように、優秀な人材を集めて高い給与を支払うケースは、ワシントン州だけの取り組みだという。
引用元: ・【米国 “受刑者”を消防士起用、背景に深刻な人手不足】隊員には自由度の高い生活や受刑者としては破格の給与が支払われ、基本給は最高でおよそ60万円、年収は、手当てを含めると1000万円近く
実際の消防士と同じ額の給料ってのは、正しく生きてる消防士に失礼だからやめた方がいいと思うけど
役に立つなら一石二鳥
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