被害の完全な賠償(full reparation)を勧告しているが、政府は「(被害者が昨年請求した再審の)判決に則って適切な措置を取る」
との立場にこだわっている。3人の女性の被害を認めず、国連勧告を履行する意思のないことをほのめかしているのだ。 昨年に国連女性差別撤廃委がこれらのフィリピン女性に対する「完全な賠償」を勧告したことについて、
女性家族部が法務部などの関係省庁の立場を総合した履行計画書を作成し、先月10日に国連に提出していたことが、11日に確認された。
被害者たちは昨年の国連の勧告を根拠として、性売買を強制されたにもかかわらず、強制退去命令、拘禁命令を下した韓国政府には
損害賠償責任がないと判断した判決(2020年確定)について再審を請求しているが、政府はこの裁判が終わるまで事実上何の救済措置
も取らないとの立場を表明しているのだ。政府(法務部)は先に、被害者が請求した再審を担当する裁判所に
「国連女性差別撤廃委の決定がいかなる法的拘束力ないし影響力を及ぼすのかは疑問」だとして「却下」を要請している。
被害者の代理人を務めるキム・ジョンチョル弁護士(公益人権法センターアピール)は、「被害者による再審請求は
国連勧告を履行する契機を韓国政府に提供したものだが、却下意見を出したということは国連勧告を履行する意図がないことを示すもの」
だと批判した。
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政府が先月10日に国連女性差別撤廃委員会に提出した履行報告書の内容の一部。政府は3人のフィリピン女性に対する「完全な賠償」を
勧告されたことに対し、「(再審)裁判の結果に則って適切な措置を取る」と答えた=履行報告書より//ハンギョレ新聞社
ー中略ー
被害者たちは強制退去が命じられているため、現在は合法的な滞在資格のない不安定な状態で再審手続きを進めている。
国内で裁判を受けている外国人は法務部にその他の滞在(G-1)資格を申請できるが、
この過程で強制退去が執行されることを恐れて申請そのものができずにいるのだ。
被害者側は、合法的に滞在が保障された中で再審が行えるようにすることを求める一方、国連が女性差別撤廃条約上の権利侵害の
被害に対する完全な賠償を勧告していることから、政府は自分たちを犯罪者として扱ったことに起因するすべてを正すべきだ、
との立場だ。
国連総会は2005年に、国際人権規約が保障する権利を侵害された被害者を救済するために加盟国がなすべき事項を定めている。
その際に定められた原則は、被害者を権利が侵害される前の状態へと回復させる措置、金銭的賠償、名誉と権利の回復のための
司法的決定、公式謝罪などの「完全で効果的な賠償」を提供しなければならないとしている。
キム弁護士は、「国連の原則に照らして、政府は被害者に対する(性売買についての)起訴猶予処分を取り消すとともに、
性売買を強要した遊興業主を再捜査しなければならない」と述べた。
政府の反応は冷ややかだ。法務部は、被害者が国内滞在許可の対象となりうるかをハンギョレが問うと、
「滞在許可は国内法違反の有無や提出書類などを確認し、審査して決めること」だとし、「許可できるかどうかは教えられない」と
述べるにとどまった。そして「3人は2022年2月から滞在期間延長許可を申請しておらず、不法滞在中」だとも述べた。
賠償を行うかどうかについては、「3人が政府を相手取って起こした損害賠償訴訟の再審が進行中」だとしつつ、
「賠償するかどうかは裁判所の判断に則って検討されるべき事案」だと述べた。
遊興業主に対する再捜査要求についても、「法務部は個別の事件に対する捜査再起権限は持っていない」と述べた。
オ・セジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
全文はソースから
登録:2024-06-12 00:36
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/50283.html
引用元: ・【ハンギョレ独自】 「性搾取されたフィリピン女性に賠償を」国連勧告に韓国政府「再審見て決定」 [6/12] [仮面ウニダー★]
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