毎年約3000人の女性が死亡する子宮頸がん。予防にはワクチンと検診が有効とされているが、日本におけるワクチンの接種率は他の先進国と比較しても非常に低くなっている。
ワクチンは、子宮頸がんの原因となるウイルスのうち8割から9割を防ぐとされ、接種は3回で9万円ほどかかるが、性的な活動が始まる前に打つことで効果が高まるとされ、小学6年生から高校1年生相当の女性の接種は無料になっている。
ただ、政府が一時、接種の積極的な呼びかけを控えていた期間があり、その期間に無料接種できなかった人を対象とした「キャッチアップ接種」の期限が来年3月末に迫っている。
この子宮頸がんワクチンについて、番組にゲスト出演した丸の内の森レディースクリニック院長で産婦人科医の宋美玄氏は「『子宮頸がんワクチン』という名前になってしまっているが、このワクチンはヒトパピローマウイルス(HPV)を防ぐワクチン。このウイルスが原因なのは、がんでいうと子宮頸がんだけではなく、男性でも罹る肛門がんや陰茎がん、中咽頭がんなどがある。決して女性の子宮だけが罹るがんではない」と解説。
「ただ、数としては子宮頸がんが一番多い。特に若い年代、20代~40代の出産を控えたり、子育て世代が多く罹ることから“マザーキラー”と呼ばれている。
さらに、30代が罹るがんの8割が女性。そのため、若い患者でがんというと女性が多い」と特徴を述べた。
また、ワクチンの有効性については「ウイルスに感染して、がん発症までに5~10年かかるため、ワクチンが普及し始めた最初のころはデータに乏しかった。
今では十分にデータがそろってきて、進行した浸潤がんでも8割以上減らすというデータが出ている」と明かした。
そのうえで、他の先進国に比べて日本での接種率が著しく低いことについて「日本では2013年に定期接種の対象となったが、副作用をめぐる報道などがあり、積極的な推奨が控えられてしまった。後に色んなデータが集まって、ワクチンの安全性は確認されたが、最初の頃にテレビで流れた怖い映像イメージが頭にこびりついていて、まだまだ打つのが怖いという人も多いし、そもそもワクチンの存在自体や、自分が無料接種対象であることを知らない人も多い」と指摘。
「もっとも効果が高いとされている9価のワクチンで、14歳の終わりまでに打ち始めると2回で終わるが、15歳以降だと2か月ごとに3回の接種が必要。最低半年かかり、今年度はキャッチアップ接種の最終年度で期限は来年の3月いっぱい。
対象者は9月までに1回目を打ち始めないと無料期間内に接種が間に合わない。
接種券の取り寄せなど、役所とのやり取りや手続きを考えると今すぐ動かないと間に合わない」と訴えた。
自業自得
特に女は長生きし過ぎだ
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