主演、ブルース・ウィリス。自分には特殊な能力があると話す少年、その能力とは…
シックス・センス【坂本朋彦のシネフィル・コラム】
6月10日(月)[BS]午後1:00~2:48
今回ご紹介するのはスリラー映画の傑作です。
9歳の少年コールは、誰にも打ち明けられない秘密を持ち、いつも何かにおびえていました。小児精神科医のマルコムは、コールを救うため、心を開くよう説得します。自分には特殊な能力があると話すコール。その能力とは…。
アッと驚く展開で大ヒット、アカデミー作品賞にノミネートされるなど高く評価され、今も“ネタバレ厳禁”の名作として高い人気を誇っています。
オリジナル脚本も手がけたМ・ナイト・シャマラン監督は当時29歳。随所に伏線を張り巡らせ、緊張感を持続させたままラストまで一気に進んでいく演出は圧巻のひと言です。
マルコムを演じるブルース・ウィリスはこの時代を代表する大スター。シャマラン監督はウィリスを念頭に脚本を執筆したということです。
ウィリスといえば「ダイ・ハード」シリーズをはじめ、数々のアクション映画で知られていますが、本作での落ち着いた繊細な演技も見事。さりげないしぐさや表情で、マルコムの苦悩を表現しています。
そして何といっても、コールを演じるハーレイ・ジョエル・オスメントの名演技。オスメントは5歳のときに「フォレスト・ガンプ 一期一会」(1994)で映画デビューし、トム・ハンクス演じるガンプの息子を演じました。
11歳で出演した本作では、あどけない表情のなかに賢さや他者を気遣う気持ち、複雑な感情を絶妙に表現しています。オスメントが演じたからこそ、コールの特殊な能力が見るものに迫ってくるのだと思います。
現在36歳のオスメントは、これまで100作以上の映画やドラマに出演、アニメの声優としても活躍しています。さらにコールの母リンを演じるオーストラリア出身のトニ・コレットが、見るものの感情を揺さぶる演技をみせてくれます。
日常と非日常が交錯する本作、青やグレーが基調の冷たく感じる画面に鮮烈な赤を入れたり、鏡を効果的に使ったりと、色彩や映像で語る演出も魅力的です。
撮影監督のタク・フジモトは、日系アメリカ人で、ジョナサン・デミ監督の良きパートナーとして「羊たちの沈黙」(1991)や「フィラデルフィア」(1993)をはじめ数々の名作を手がけた名匠です。
見ているときは物語や登場人物に引き込まれてしまいますが、終わったあとで、構図やカメラワーク、照明を考えると、どれも完璧だと感じる、まさにプロフェッショナルの技だと思います。
何度見ても完成度の高さにうならされる名作。じっくりお楽しみください。
プレミアムシネマ「シックス・センス」
6月10日(月)[BS]午後1:00~2:48
そのほかの映画情報は
引用元: ・【NHK BS】6月10日午後1:00 主演、ブルース・ウィリス。自分には特殊な能力があると話す少年、その能力とは…「シックス・センス」 [朝一から閉店までφ★]
コメント