「そもそも、2023年が断トツの猛暑でしたよね。通常、7月は普通なのに8月が暑いとか、残暑が強い年ほど夏の始まりが遅いとか、どこかで “帳尻” が合うんです。しかし、2023年は7月、8月、9月と、全部が暑かった。ところが、今年はそれを超える暑さになる恐れがあるんです」(立花教授・以下同)
すでに “灼熱地獄” の予兆が現われている。海面の温度が、高いのだ。
「現在、地球全体で海面の水温が史上最高の高さになっています。特に日本の近海は、世界でいちばん上昇率が高いんですよ。
昨年は平年よりも4~5度高い程度でしたが、直近5月の数字では、7~8度高い海域もあるほどです」
昨年よりも “2倍” 熱い海水――。当然、地表の温度にも影響を与えることになる。
「お風呂に溜めたお湯と一緒で、海水は一度温まると冷めにくいんです。そして、温まった海水は水蒸気になり、温室効果によって気温を上げるんです。
もちろん、水蒸気は大気中で冷やされると、雨に変わります。今年の7月、8月、9月は、40度を超えるような酷暑日と、豪雨が繰り返し起きる、過酷な気候になるでしょう」
なぜこれほど日本近海の海水温が高いのか。犯人は、とある “異常現象” だという。
「フィリピン周辺から流れてくる “黒潮” という水流があります。これは海の中にある川のようなもので、時速約7.4kmで幅は100kmほどの温かい海水です。
フィリピン周辺から北上し、日本列島に沿って東に向かい、最後は房総半島沖から太平洋に出ていきます。黒潮は、紀伊半島あたりで南へ大きくせり出す、“蛇行ルート” をたどることがありますが、現在も蛇行しており、過去最長の8年めを迎えています」
しかし、これだけなら “黒潮大蛇行” と呼ばれる、過去に何度も起きた現象だ。
「問題なのは、蛇行した黒潮が東海から関東沖をなめるように流れ、東北北部まで北上している点です。これほどウネウネと蛇行することは今までありませんでした。
紀伊半島での蛇行と合わせ、いわば “スーパージャイアント黒潮蛇行” と呼べる現象が起きているのです。蛇行する原因は、水流の速度が遅いから。現在、南からやってきた温かい海水が、ゆらゆらと日本近海を流れているという状態です」
さらに、日本を暑くさせる “蛇行” 現象がもうひとつ起きている。
「偏西風の蛇行ですね。偏西風は、西から東に通年吹いているジェット気流です。これが、日本列島を避けるように北側に蛇行しているんです。その結果、南からやってくる温かい空気が日本をすっぽり覆ってしまいます。海からも空からも、寄ってたかって日本列島を暑くしようとしているような状態なんです」
酷暑の影響は、計り知れない。食卓の様子もがらりと変わる可能性がある。
「漁業への影響は甚大です。すでにサンマの不漁は知られていますが、サケも獲れなくなるでしょう。暑くなると磯焼けが起きるので、昆布やノリ、そしてそれを食べるウニやアワビといった貝類もいなくなります。
陸では、暑すぎて米が不作になります。実際、新潟の米は、昨年の猛暑で壊滅的な打撃を受けました。日本の米は、寒さに強いですが、暑さに弱いのです」
この暑さは、“たまたま今年だけ” のものではありません。地球温暖化の影響で、異常気象そのものが “ニューノーマル” になるんです。
今後は、気温が35度を超えた場合、出社も工事もスポーツも原則禁止にするなど、ライフスタイルを変えるしかありません。私は、首都を東北や北海道に移転したほうがいいとまで考えています」
もはやただの “天気” ではない。この暑さは、国の形を変えるのだ。
( 週刊FLASH 2024年6月18日号 )
引用元: ・【気候変動】三重大学・立花義裕教授が緊急警告 「本当の “灼熱地獄” はここからです、私は、首都を北海道に移転したほうがいいとまで考えています」
新首都を何故今の東京の気候に合わなければならないのか?
三重大の限界かな?
北海道の大地が穢れてしまうだろう
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