危うく戦火に巻き込まれるところだったアテックさんは、マグロ漁のシーズンを諦めることを決意した。
だが、災難は終わらなかった。アテックさんはアデン近郊アルブライケにある自宅近くの小屋に漁具を保管していたが、季節外れの高潮に襲われ、漁具の一部が損害を受けた。
「こんな季節に海水が小屋まで押し寄せるなんて、生まれて初めてだ」とアテックさん。
「季節感がめちゃくちゃだ。農家と同じように、漁師にも漁師なりの計算がある。だが今ではこれまでのような計算が役に立たない」
イエメンでは紛争と気候変動という双子の災難が重なり、人道危機を深刻化させている。
イエメン国民約3300万人のうち半数以上が海外からの支援に依存しており、約450万人が自宅から逃げ出さざるを得ない状況に追い込まれた。
このダブルパンチにより特に打撃を受けたのが漁業コミュニティーだ。陸地での内戦が漁船や漁港、加工場を破壊しただけにとどまらず、海上で新たに発生した紛争によって通常の漁場から追い出されたために、漁師の生命や財産が危険にさらされている。
トムソン・ロイター財団の電話取材に応じたアテックさんは、「借金に頼らざるをえない」と語る。
沖合まで船を出せばマグロなど高値で売れる魚を獲れるが、沿岸近くで獲れるのは安値の小魚だけだと嘆く。
アデンを拠点とする漁師のナセル・ハッジさんは「状況は厳しく、漁獲量は減る一方だ」と語る。「とにかく注意を怠らないようにしている。神に頼っている」
イエメンは、気候変動に対して世界で最も脆弱(ぜいじゃく)な国の1つであり、気候変動の影響の緩和や適応に向けた準備も最も遅れているグループに入っている。
非政府組織(NGO)のイエメン家族ケア協会(YFCA)が昨年発表した報告書によれば、同国沿岸の海面は2100年までに0.3-0.54メートル上昇することが予想される。
また同報告書は、イエメンに襲来するサイクロンの頻度も上昇していると指摘。2015年以降、イエメンは大規模なサイクロンに6回も襲われた。
こうした災害で、数千人の国民が家を失い、漁船や漁具も破壊された。
昨年10月には、サイクロン「テジ」によって南東部1万8000世帯が被災し、医療施設や道路、電気通信回線を含むインフラが大きな損害を受けた。
サイクロンと海水温の上昇は、どちらも水産資源の枯渇につながる一方で、異常気象により漁業の危険性はさらに高まっている。
サヌア戦略研究センターのムサイド・アクラン研究員によれば、こうした要因により、転職に踏み切る漁師が増えているという。
【気候変動】サンマだけではない不漁 サバやカツオも 漁獲量、2年連続で400万トンを下回り、過去最低を更新・・・水産庁 「温暖化の影響などで海洋環境が変化」
https://talk.jp/boards/newsplus/1717233176
引用元: ・【気候変動】かつて主要輸出品、漁業崩壊に苦しむイエメン・・・漁師 「漁獲量は減る一方だ」
ブルーオーシャンに改称すれば魚も戻ってくるだろうよ
欧米の協力も得られないもう中国に港湾を売るしか手はないな
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