田中さん 普通の会社員が多いです。コロナ禍の時に、友だちに誘われてなどのきっかけでちょっとやってみたという人がすごく多い。スポーツ賭博が広がっていた高校もあり、普通の高校生がやっていました。その年齢ではお金のやり取りができないので、彼らにXを通じて大人のアカウントを売っている業者がいるそうです。
-若者はあまりお金も持っていないと思いますが
田中さん 10代の子どもを連れて相談にくる家族も時々います。最初は自分の小遣いでやっていたけど、親の口座を空っぽにした例もあります。
-犯罪がらみの相談は、オンラインカジノもやっている場合のほうが、やっていない場合よりも増えているそうですね
田中さん 多いのは窃盗、横領、万引き、オレオレ詐欺の受け子になる人もいます。
-ギャンブルによる借金の額も増えていて、23年は平均855万円。なぜここまで増えるのですか
田中さん これはクレジットカードや消費者金融などの借金のことで、預貯金を使ったり、保険を解約して払った分などは含まれてません。親や周囲の人は何度も尻ぬぐいしたり、もっと使われていることが多いです。これで最後と言いながら出し続けることもある。ギャンブルのこと以外はまともだから、親はそんなに繰り返すと思わないんです。仕事も会話も普通だから、依存と分かりにくい。本人も乗り越えられないわけがないと思うんです。
-ギャンブル依存症はどんな病気ですか
田中さん 本人も家族も気づきにくい、残酷な病気です。ほかの病気と一緒で、だれでもかかる可能性がある。水原被告も特別ではなく、ただのギャンブル依存症。私の肌感覚としては回復する人は少なく、ほとんどは再発し繰り返します。脳の病気なのに、精神論とか性格の問題として考えようとするから、世間は理解できず不可解に思う。快楽を求めてやっているのではなく、苦痛を緩和している。だからやめられなくなるのです。
-どうしたら依存に気づけますか
田中さん 本人が気づくのは本当に難しい。周りの人がお金を貸さない、尻ぬぐいをしないことです。お金に行き詰まると、助けを求めやすくなります。相談に行きなさいとうながしてほしいです。
-なぜオンラインカジノの被害が急増したのですか
田中さん 手軽さもあるし、コロナ禍中にSNSやユーチューブなどで著名人も使った広告、宣伝が激増し、日本語のサイトもつくってきた。違法なものをこんなに堂々と宣伝しないだろうと思うわけです。
ちょっとこれは規制したほうがいい
詐欺誘導に引っかかった被害者だ
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