■『SHOGUN 将軍』『忍びの家 House of Ninja』…日本がウケるワケ
日本を題材にしたドラマが2022年頃から立て続けに世界的なヒットを飛ばしている。
●WOWOW×ハリウッド『TOKYO VICE』(2022年4月、主な日本人俳優:渡辺謙、菊地凛子)
●Apple TV+『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』(2023年11月、同:澤井杏奈、渡部蓮)
●Netflix『忍びの家 House of Ninja』(2024年2月、同:賀来賢人=原案、共同エグゼクティブ・プロデューサーも兼任)
などがあるが、とりわけ、
●2024年2月27日に配信されたDisney+『SHOGUN 将軍』(真田広之=プロデューサーも兼任、浅野忠信、平岳大)
は、配信後3カ月も経っていないのに、シーズン2と3の作品開発が決定されるほどの大成功であった。
なぜ、近年、ハリウッドが日本を題材にしたドラマに投資し、グローバルで支持されるのか。そこには3つの要因がある。
■中国から文化的距離をおくアメリカの「戦略的競争」
第一に、中国から文化的距離を置きつつあるアメリカの「戦略的競争」が大きく関係している。過去15年ほど、ハリウッドは日本よりも中国に力を入れてきた。スーパーヒーロー映画には中国人俳優がカメオ出演(※)し、世界を救うための役割を中国が担うなど、ハリウッドは中国や中国人を肯定的に描いてきた。
■政治・安全保障の観点からも中国から距離を置くアメリカ
ここ数年、厳しさを増す中国の検閲制度に加えて、政治・安全保障の観点からも、中国から距離を置くようになったアメリカ。中国は2021年のクーデターで国を掌握し、国際的に孤立するミャンマー国軍を支援した。そして、2022年に起きたウクライナ侵攻では、間接的にロシアを支持している。直近ではガザ地区でハマスが中国製武器・装備品を大量に使用していることが明らかになったと報じられている。
今日、ハリウッドの目には中国は以前ほど魅力的な市場とは映っていないのではないだろうか――。
どれほど中国人俳優を起用し、中国を舞台にしたとしても、ちょっとしたことで当局の怒りに触れ、市場から締め出される可能性が常にあるからだ。それよりも、表現の自由がある日本と手を組んだほうが得策だ。縮小しているとはいえ、大きな人口をもつ日本は興行収入において、北米、中国に続く映画市場第3位を保つ。だからこそ、Apple TV+、Netflix、Disney+などの代表的なストリーミングサービスで日本を題材としたコンテンツが台頭しているのである。
日本のコンテンツをハリウッドが魅力的に感じている理由は他にも2つある。それは、日本の歴史にさかのぼる。
■明治維新以降、西洋文化に浸透してきた日本文化
まず、日本文化が明治維新以降、西洋文化に長い間浸透し、影響を及ぼしてきたことである。19世紀後半、浮世絵や陶器にみる構図や色彩は西洋の画家たちを刺激し、日本ブーム「ジャポニズム」が生まれた。ジャポニズムはモネやセザンヌといった印象派や、ゴッホやゴーギャン、ミロなどの近代画家にインスピレーションを与え、多様な手法や芸術が生まれた。
■第二次世界大戦後の日本の新しいアイデンティティー
日本のコンテンツをハリウッドが魅力的に感じている理由の3つめは、「第二次世界大戦後の日本」である。広島・長崎は日本にとって暗く悲惨な思い出だが、同時に手塚治の『鉄腕アトム』や香山滋の『ゴジラ』などの世界を魅了するアイコンを生み出した。
このように日本文化は、19世紀後半からのジャポニズム、そして、ポスト戦後は漫画、アニメ、映画、武道、禅、寿司などを通してアメリカだけではなく、世界文化の一部として長く受け入れられて来たのである。よく考えると、片づけコンサルタントとして内外で知られる近藤麻理恵さんが出演するリアリティ番組のNetflix『KonMari 人生がときめく片づけの魔法』(2019年)がアメリカ人の心をつかんだのも、こんまりメソッドの根底に流れる神道的なミニマリズムを受け入れる土壌が既にアメリカで根付いていたからかもしれない。
全文はソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb9236c01efc0b4658c1c45ee4ee2d6007363492?page=1
引用元: ・真田広之「SHOGUN 将軍」 賀来賢人「忍びの家」が世界的ヒット…アメリカが日本人主演で稼ぐ本当の狙いー中国から距離を置く [5/29] [昆虫図鑑★]
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