フランスの防衛・航空宇宙メーカー、タレスの交通システム事業買収も近々完了する見通しで、これを加えると2024年度の鉄道事業売上高は1兆円を超える見通し。東原敏昭会長は8年前に「2020年代の早い時期に売上高1兆円を目指す」と話していたが、実現の日が近づいた。
国内同業との比較では川崎重工業の鉄道車両事業が売上高1959億円で2位、3位以下は1000億円を下回り、日立は頭1つ抜き出る。成長の原動力は海外。2010年度の鉄道事業売上高に占める海外の比率は400億円に満たなかったが、今や売上高の8割超を稼ぐ。
副社長が語る鉄道事業発展の足跡
分野別の売り上げは車両製造が6割、信号システムや保守ビジネスが4割。同業他社は国内向け車両製造が売り上げの大半を占めるので、海外比率、事業構成のどちらを取っても他社とは見ている景色が違う。むしろライバルは海外勢。日立は中国中車、仏アルストム、独シーメンスと並ぶ世界大手の一角を占める。
そんな日立もかつては国内他社と同様、国内向け車両製造が鉄道事業の中心であった。国内は新規路線の開業が少なく、新たな車両の製造は既存車両の更新需要ばかり。国内向けに安住していてはいずれ尻すぼみ。成長機会は海外にしかない。他社がアメリカやアジア諸国に照準を定めた中、日立が目を付けたのは英国だった。
蒸気機関車による鉄道が世界で初めて実用化された英国でなぜ成功できたのか。そこにはキーパーソンの存在がある。現地採用社員からスタートして本社副社長に上り詰めたアリステア・ドーマー氏だ。同氏へのインタビューを基に、日立の鉄道事業の歩みを振り返ってみたい。
ドーマー氏が日立の欧州法人に営業マンとして入社したのは2003年。当時の日立といえば1998年から駐在員を英国に派遣して2つの大型案件の入札に挑んだがどちらも失注していた。英国内で日立製の列車が走っているのを見たことがない現地関係者からは「日立の列車が英国で日本と同様に走れるとは限らない。絵に描いた餅。ペーパートレインだ」と揶揄されていた。
入社時の年齢は39歳。英国海軍を皮切りにブリティッシュ・エアロスペース、アルストムの英国法人に勤務した経歴を持つ。以前から日立の仕事ぶりについては熟知していた。「顧客第一主義の姿勢を尊敬していた」という。日立入社前に勤めていた会社では納期が遅れがちだったことを不満に感じていた。
「ペーパートレイン」の批判はねのける
入社してまず感じたのは、日立が行った過去2回の入札案件の内容は「非常に優れていた」ということ。にもかかわらず、なぜ受注できなかったのか。理由は簡単。「日立は英国の鉄道運行の仕組みが日本とまったく違うことを理解していなかった」。英国の鉄道は運行とインフラを分離した上下分離方式で運営されており、さらに運行事業者は自ら車両を保有することはせず、リースで調達する。
もう1つ付け加えると、日立のスタッフたちの英語力が必ずしも高くなく、PRも下手。技術の仕組みを説明するばかりで、その技術が運行事業者にどのようなメリットをもたらすのかを説明できない。
ドーマー氏の入社時、日立は英仏海峡トンネルの英国側出口とロンドンを結ぶ高速鉄道路線を走る鉄道車両「クラス395」174両の受注に狙いを定めていた。英語下手の日本人社員に代わり、「顧客と日立をつなぐ橋渡し役として、顧客と話をすることに多くの時間を費やした」。
引用元: ・【日立】国内敵なし、日立「鉄道売上高」今期1兆円超えへ [PARADISE★]
日本の技術力が異次元過ぎてヨーロッパの技術力がショボすぎたらしいw
700系新幹線とか?
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