◆首相「実効性ある」 しかし自民党内にも疑問の声が
岸田文雄首相は17日夕、官邸で記者団に「実効性のある再発防止策になった。政治改革特別委の議論に真摯(しんし)に対応し、政治の信頼回復につなげていきたい」と強調。自民の森山裕総務会長は「自民党が変わったと感じていただけるのではないか」と自画自賛した。
首相らは自民案に「実効性がある」と繰り返すが、実際には与党内にもそんな受け止めはほとんどない。象徴的なのが党から議員個人に支出される政策活動費の使途公開だ。
自民案では政党から50万円以上の支出を受けた議員は使途を政党に報告し、党の収支報告書に記載する。その内容は「組織活動費」「選挙関係費」など大まかな項目だけ。個別の日時や支出先は明らかにされず、領収書の添付も不要だ。
自民の二階俊博元幹事長は5年余りの幹事長在任中に約47億8000万円を受領していたが、使い道がはっきりせず、政治不信を招いた。自民案では、二階氏の時のようなチェックが及ばない資金が残ることになる。
首相は国会審議で詳細な使途の公開に慎重姿勢を示してきた。法案作成を担った鈴木馨祐衆院議員は台湾との議員外交まで持ち出して「果たしてそういったものを全てオープンにするべきなのか」と強弁する。
◆自民幹部「国民の理解をいただけるのでは」と期待
そんな対応に自民内からも「項目だけの公開では国民の理解が得られない」(閣僚経験者)と懸念の声が上がり、16日の党会合では政策活動費そのものの廃止を求める意見も浮上。中堅議員は「幹部は自由に使える金を手放したくないのだろう」と冷ややかだ。
共産党の小池晃書記局長は「大きなブラックボックスを小さなブラックボックスにするだけ」と批判。立憲民主党の泉健太代表は「これで透明性が高まったというのは大間違い」と突き放す。
パーティー券購入者名の公開基準では、公明や野党各党は現行の「20万円超」から通常の寄付と同等の「5万円超」への引き下げや、パーティーの廃止を主張するが、自民案は「10万円超」で透明性の確保で劣る。野党各党が求める企業・団体献金の廃止も盛り込まれなかった。
自民は他党より企業・団体献金への依存度が高く、その資金源を温存したいのが本音。森山氏は「10万円超に引き下げたのはかなりの決断だった。政治活動にはコストがかかるというのは国民の理解をいただけるのではないか」と述べた。
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◆落選した自民陣営が対立候補への寄付者に押しかけて…
自民党が単独で衆院に提出した政治資金規正法改正案は、政治資金パーティー券の購入者の公開基準については現行の「20万円超」から「10万円超」への引き下げにとどまる。自民は与党協議で「5万円超」からの公開を求めた公明党との合意を見送り、引き下げに強く抵抗する裏にはどんな事情があるのか。
ある若手議員は、自民が「10万円」のラインにかたくなにこだわった背景について「現行の20万から下げすぎることが問題。10万円くらい買う人は結構多い」と解説する。氏名や住所が公開される基準が10万円以下に広がれば、パーティー券の売り上げ減になるかもしれないという理屈だ。
また、議員によると、前回の2021年衆院選では九州地方のある選挙区で、落選した自民候補の陣営が当選した対立候補に寄付した人を割り出し、自宅や会社の事務所に押しかけて詰め寄る事態も起きたという。「立場上の制約はあるがこの人は応援したいという気持ちを否定することにもなりかねない」と寄付者が公開されることになる基準の引き下げに懸念を示す。
「そういう『寄付者つぶし』みたいなことがあると、政界を志そうという若い政治家が出にくくなる。多選の人が有利になって政治の新陳代謝が起きず、おごりや緩みのある政治になってしまう」と指摘する。(佐藤裕介)
政治資金規正法(略)
東京新聞 2024年5月18日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/327775
引用元: ・自民党がフリーなカネ「政策活動費」温存に一生懸命 独自の政治資金規正法改正案提出 [蚤の市★]
民間と比較してたらさすがにアホだろ
民間に国民を守る義務なんて無いんだから
政治家とは?
国民の代表をがんじがらめにするのって国民を縛り付けるのと同じこと
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