回答者数は少ないが、加害者の半数以上が加害だけでなく、被害も経験していると答えたことになる。何か理由や因果関係が考えられるのだろうか。
著書に『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)があり、これまで3000人以上の性加害者や性依存症者に向き合ってきた精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんは「被害経験が加害を正当化する認知の歪みに影響を与えている可能性が考えられる」と指摘した。
弁護士ドットコムニュースのアンケートに回答した78歳の男性は、これまで10回未満、電車やバスで痴漢行為に及んだという。
そんな男性は中学生の頃にみずからも痴漢被害の経験がある。映画館で鑑賞中に中年男性から陰部を触られて「気持ちが悪かった」と振り返った。
回答後に取材に応じた男性は、「相手の手を払いのけた。すると隣の席に座っていた相手は、即立ち上がり、出て行った」と説明する。
そして、中学生のときの痴漢被害は、その後の痴漢行為に影響を与えたかという問いには 「被害と加害は、無関係と考えている」と答えた。
男性は「無関係」としたわけだが、加害者の半数以上が被害経験を有すると答えたことをどう見れば良いのか。
斉藤さんの勤務する榎本クリニック(東京・豊島区)では性犯罪加害者への再発防止プログラムをおこなっている。斉藤さんが担当した性加害の当事者は2006年にプログラムを立ち上げてから3000人を数える。そのうち、ほぼ半数にあたる47%が常習的な痴漢行為に及んでいた人が占める。
そうした痴漢の加害者のなかには、「痴漢被害の経験がある」と話す人もいるという。
「とても多いという印象はありませんが、被害経験を語る人がいます。男性からの被害経験が圧倒的に多く、おそらく加害者の性指向としては同性愛の男性による加害行為だと思われます。いずれも自身が加害に及ぶ時期より前に被害を経験しています。
彼らが被害経験を語るときには、性暴力の重大なエピソードと捉えず、『変態がいたんだ』『気持ち悪かった』という軽いノリで語られることが少なくありません」
斉藤さんがプログラムに携わっている加害者臨床現場では、「被害と加害の連鎖が見える」という。
「子どものころに性被害を受けた人が、大人になってからも同じ被害経験を繰り返したり、一方で加害者に転じたりすることもあります。たとえば、過去に児童福祉施設で職員から性被害を受けた子どもが、大人になって子どもへの性加害者に転じたケースを指摘できます。
また、不同意性交等に代表される深刻な性被害を受けた女性が、自分のことを汚らしいとかゴミ箱のような存在に思えて、自暴自棄になり自傷行為的に誰とでも性関係を繰り返すことがあります。これらは自己治療の一部と考えられていて、トラウマ臨床現場においては『行動上の再演(リエナクトメント)』と呼ばれています。
かつて性の対象としてモノのように消費されていた経験によって、自尊感情を大きく傷つけられ、自己治療として自傷・他害を繰り返すという負のサイクルは加害者臨床の現場ではよく見受けられます」(抜粋)
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/de376f33b598657237e49cb542ace0f480a74337&preview=auto
引用元: ・【調査】痴漢したことある男の半数以上が「俺も痴漢されたことある」
男ならできるだろw
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