殺人容疑で再逮捕の仲介役「遺体焼けば何も残らない」　那須2遺体

　栃木県那須町の河川敷で夫婦の遺体に火を付けて損壊したとして死体損壊容疑で6人が逮捕された事件で、仲介役とされる埼玉県越谷市花田4の建設業、平山綾拳（りょうけん）容疑者（25）が、「遺体を焼けば何も残らないと思った」と供述していたことが捜査関係者への取材で判明した。火を付けたのは、遺体発見を防ぐためだったとみられるが、数時間後に通行人に発見されていた。　警視庁と栃木県警の合同捜査本部は11日、平山容疑者を夫婦に対する殺人容疑で再逮捕した。夫婦の長女の内縁の夫で、主導役とされる会社役員の関根誠端（せいは）容疑者（32）ら他の5人についても順次、殺人容疑で再逮捕する方針。

平山容疑者の再逮捕容疑は、4月15日午後11時50分から翌16日午前1時半ごろまでの間、東京都品川区東五反田の空き家のガレージ内で、仲間と共謀して、会社役員の宝島龍太郎さん（55）と妻幸子さん（56）＝東京都千代田区＝の首を絞めるなどして殺害したとしている。

平山容疑者は、指示役とされる職業不詳の佐々木光容疑者（28）から依頼され、13～14日に埼玉県や都内で、事件に使われたとみられるガソリンや結束バンドなどを購入した。

捜査本部は認否を明らかにしていないが、捜査関係者によると、平山容疑者は「佐々木容疑者から4月上旬に、夫婦を殺害して遺体を処理しろと頼まれ、実行役2人に伝えた。遺体は燃やせば何も残らないと思った」と供述していたという。

また遺体を処理する場所について、「見つからないような場所を地図で探したが、最終的に佐々木容疑者に指定された」という趣旨の説明をしたといい、実行役とされる2人に伝えたとみられる。平山容疑者は殺人容疑で再逮捕された後、黙秘に転じたという。

夫婦の遺体は16日早朝、那須町の山中の河川敷で、通行人が火が出ているのに気付き、見つかった。遺体は頭から袋がかぶせられ、その上から粘着テープが巻かれており、手足は結束バンドで縛られていた。2人の死因は、首の圧迫による窒息死。幸子さんは頭蓋骨（ずがいこつ）を骨折しており、頭部をハンマーで殴られたとみられる。

夫婦の遺体は、実行役とされる2人が平山容疑者名義のセダン型の乗用車に乗せて、遺体発見現場まで運んだとみられる。

毎日新聞

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