原告代理人が「被害者ではなく加害者がカンパを募る「誹謗中傷ビジネス」に対して、裁判所が歯止めをかけた重要な貴重な判決」と述べているように、この判決は、ネット上の誹謗中傷とその裁判がコンテンツとして収益化される風潮に一石を投じるかもしれない。
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誹謗中傷の「ビジネス化」問題
ポイントは、雁琳氏がこの訴訟を戦うにあたって、訴訟費用をはるかに上回る450万円ものカンパを集めたことだ。もちろん、財政的な問題を抱えた被告が、裁判をするにあたってカンパを求めることには問題がない。たとえば、公の事業への反対運動を続ける市民団体が、国や自治体から運動を疲弊させるためだけに訴えられる訴訟、いわゆるSLAPP訴訟では、運動の継続のために広くカンパが呼びかけられる。しかし最近では、面白半分で他者を誹謗中傷し、訴えられるとカンパを集め、あるいは訴状などの関連文書をnoteなどの収益化されたブログサービスに公開したり、法廷での様子を含む裁判の経過を面白おかしくネットニュースにしてYouTubeなどの動画サービスで配信したりするなどして金を集めるビジネスモデルが問題になっている。
このコラムでも何回か取り上げたことがある女性支援団体Colaboは、ここ数年にわたって様々な誹謗中傷に晒されてきた(「女性支援団体Colaboの会計に不正はなし」及び「女性支援団体に対する執拗な嫌がらせの実態が明らかに」 参照)。そのきっかけをつくったともいえる、「Colaboは10代の女の子をタコ部屋に住まわせて生活保護を受給させ、毎月一人6万5千円ずつ徴収している」というデマを流した「暇空茜」を名乗る男性は、今年2月に書類送検されている。
こうした被害に対してColabo側は、名誉棄損だとして訴訟を起こしている。しかしその訴訟でさえ、被告側はやはり訴訟費用を上回るカンパを集め、またYouTubeやブログのコンテンツ化をして収益をあげている。暇空茜氏は、SNS上で「ぶっちゃけColaboからどんな名目で訴訟が来ても、訴額以上にNoteとYoutubeで稼ぐ自信があるので、金を払うので訴えてください」と公言している。
名誉棄損の有無にかかわらず、他者を誹謗中傷して注目を集め、相手から訴えられたらそれをコンテンツ化してさらに収益をあげるというこうしたビジネスモデルは、日本の司法制度に対する「ハック」であり、法秩序そのものを危険に晒しかねない。しかし、これを止める手段が今のところほとんど存在しないことが問題視されてきた。
北村氏の裁判の判決文で画期的なのは、雁琳氏のカンパについても言及していることだ。いわく、雁琳氏が「本件訴訟のために公然といわゆるカンパを募ることは」原告を貶める「同調者をあおるものといえる。これらは、原告の慰謝料増額事由として評価すべきである」。
その結果が、原告側の要求330万円に対し、220万円の支払いを求める決定なのだ。これは、誹謗中傷によって耳目を集め、多額のカンパを獲得するビジネスモデルに対して、慰謝料増額事由に相当する可能性を示す、注目すべき判決だといえる。北村氏自身も次のようにコメントしている。
「このようなビジネスモデルを放置しておくことは世の中全体に悪い影響を与えます。そのままにしておくと真似をする人も出るでしょう。今回の判決で、こうした他人を煽ってお金を集める行為が勘案されたのは画期的なことだと思っています。今回の判決が、ネットで中傷を受けている方々にとって良い先例となることを祈っております」。
引用元: ・訴えられた側がカンパを集め、裁判過程を収益化…「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令 [Hitzeschleier★]
何でアカウント名報道なんだろうねw
不毛な人生だな
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