芸能プロに所属し、マネージャーがついて、その指示のもとで仕事をしていく。それが当たり前だったのが、個人での活躍や、米国で主流のエージェント契約が主流になりつつあるのである。結果、食い扶ちを失っていく業界人が続出、ふるい落とされていくタイプとは?
ドラマにCMに売れっ子の吉岡里帆(31)が今月11日、新事務所「フラーム」に移籍後初となるイベントで笑顔をふりまき、その美しさで改めて存在感を示した。
移籍のきっかけは、デビューから所属していた芸能プロ「A-team」の芸能業務の休業だった。芸能プロ幹部はこう話す。
「芸能プロとしての事実上の幕引きには、営業力の陰りがあったように見えます。石田純一のマネージャーをしていた小笠原明男氏が96年に設立した『A-team』には伊藤英明やDAIGOを売れっ子にした営業力、手腕に定評がありました。しかし、18年に小笠原氏が亡くなってからは弱体化。俳優の伊藤英明が22年に、続いて女優の松本まりかが事務所を去り、剛腕とされた幹部スタッフも相次いで辞めていきました」
代替わりの難しさが知られている芸能界で、やはりカリスマ創業者の存在は大きかったのか。
「カリスマ創業者がいなくなったのが大きな理由ですが、小笠原氏流の『営業』自体が時代遅れになってしまった可能性があります。テレビ局に映画プロデューサー、広告、マスコミ相手に接待でコネをつくり、顔を売って、仕事につなげていく。タニマチを見つける。メディア露出では持ちつ持たれつ、などといったものです。しかし、コロナ禍以降、そうしたやり口は通用しなくなってしまいました」(前出の芸能プロ幹部)
主戦場であったテレビの地上波は、視聴率がふるわず、広告収入は右肩下がり。若者はネットを見るのが当たり前で、テレビが「オワコン」と呼ばれて久しい。大手代理店出身の広告プロデューサーはこう話す。
「動画配信大手のNetflixなどでは、演者を選ぶ際に、芸能プロの大小や看板、そこからの営業に左右されません。それが世界標準で、日本の芸能界もそこにならっていく流れになっています。ですから、タレントももう、所属プロにこだわらないでいいと思っているかも知れません。
ジャニーズ問題によって、大手芸能プロから独立すると何年も干されるといった悪しき不文律ももうない。仕事も取って来ないし、少ない仕事の中でギャラを半分ちかく持っていかれるのでは、事務所に所属している意味がありません」
前出の芸能プロ幹部も、現状をこう説明した。
「ネットの普及によって、知名度のあるタレントならば、自分でホームページをつくるなどすれば、活動できてしまいます。所属事務所なんていらない。ホームページすら経費がかかるので、X(旧ツイッター)のプロフィール欄にメアドをつけて、そこで仕事のやり取りをしたりしている。
『お仕事のご依頼はこちらへ』で済んでしまうのですから、芸能プロは商売上がったりですよ」
そうした流れもあってか、最近は俳優、タレントの独立が加速していて、数え上げればきりがないほどだ。
一方で、壇蜜(43)や吉木りさ(36)らの所属していた「フィット」が破産するなど、芸能事務所の淘汰も進んでいる。
「今、ふるいにかけられているのは、才能のないマネージャーたちです。タレントの個性、才能を活かす企画を立案することもなく、送迎と、チヤホヤするしかことができない。ボディガードの役割もあると彼らは主張しますが、『アッシーの爺か三流ホストレベル』などと表現する女性芸能人もいます。
中には、所属プロの看板を持ち出し、『うちは●●系なの、知ってんの?』などと威圧してきたりする輩もいます。
関係者に胡蝶蘭を送ったりするのを仕事だと勘違いしている“金喰い虫”もいました。そんなマネージャーしかいない事務所と、タレントが縁を切りたいと思うのは当然かもしれません」(前出の芸能プロ幹部)
引用元: ・【芸能界の仕組み激変】タレント独立ラッシュで食い扶持を失うマネージャーが続出
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