「高野山は、多くの人に来ていただける素晴らしい場所。それを維持するには現在、人口減少下にある住民だけでは厳しく、みなさんにお願いせざるを得ない状況になっている」
高野町の人口は昭和40年代まで9千人台を維持してきたが、減少傾向が続く。高野町の平野嘉也町長は、過疎化が進む中での観光地のインフラ維持の「限界」を訴えた。
平野町長が導入を目指す法定外税は、地方自治体が地方税法に定める税目(法定税)以外に、条例によって徴収できる税目。世界遺産・厳島神社のある広島県廿日市(はつかいち)市が「宮島訪問税」を徴収し、京都市では「宿泊税」が導入されている。オーバーツーリズムに対応するための手段として全国で検討が進む。
高野町では、救急搬送される人の半数超が観光客となることも。公費で公衆トイレを維持管理しているほか、オーバーツーリズムで問題となるごみの放置を防ぐため、町職員や業者が早朝から「ポイ捨てごみの最初のひとつ」を回収している。平野町長は「インフラを持続可能にするため、住民の方にかなりの負担をかけているのは事実」と話す。
同町関係者によると、観光客の受け入れに不可欠な上下水道の維持管理費や、混雑する道路での誘導などのために配置する警備員の費用にはそれぞれ年間2千万~3千万円が必要だという。
高野山は真言宗の聖地であり、観光客だけでなく信者も多く訪れる場所だ。こうした場所への法定外税としては、京都市が昭和60年、文化財保護の財源にするとして、観光社寺の拝観料に上乗せする形で課税する「古都保存協力税」(古都税)を導入した例がある。このときは仏教会が「信教の自由を侵す」として猛烈に反発、有名寺院などが拝観停止で対抗し、わずか3年後に廃止された。
高野山真言宗の総本山金剛峯寺は高野町の想定する法定外税に対し、「高野山と文化財の価値は守っていかないといけない」と理解を示す。一方で、「信者さまでも毎日いらっしゃる方もいれば、月に一度の方、海外の方もいる。多岐にわたる信仰をどう考えるのか、どのような範囲で、どのような方に、どのような形で税をかけるのか、検討の余地がある」としている。
引用元: ・【社会】2600人の町に観光客140万人が殺到…インフラ維持の限界、高野山に「入山税」導入へ
金持ち害人相手ならガンガン課税していいと思う
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