能登半島地震で被災した、のと鉄道(石川県穴水町)が6日、約3カ月ぶりに全線で運行を再開した。
通勤、通学の足となっている鉄道が再開し、「ずっと待っていた」と日常の回復に涙を流す住民も。能登へのアクセスが改善され、関係者は「復興に向けた第一歩になる」と期待を込めた。 穴水駅で出発式が行われ、馳浩知事と沿線自治体の茶谷義隆七尾市長、吉村光輝穴水町長が激励。
のと鉄道の中田哲也社長は早期再開に尽力した関係者に謝意を示し、時折声を詰まらせながら「ただの運行再開にとどまらず、私たちの絆の強さや未来への希望の象徴となる」とあいさつした。
再開一番列車の出発合図を担当したのは、能登鹿島駅(穴水町曽福)で花壇の手入れを続ける佐藤まゆみさん(72)=同町鹿島=。
穴水駅の一日駅長として進行の合図を出すと、午前6時12分、「がんばろう能登」と書かれた桜色のヘッドマークを付けた列車がゆっくりと動き出した。復旧に携わった工事関係者や地元住民らが手を振って見送った。
穴水駅によく顔を出し「駅長さん」と親しまれる上平(うえひら)壮真(そうま)ちゃん(2)=穴水町大町=は駅長の衣装で一番列車に乗車し、「楽しかった」と笑顔を見せた。
穴水駅から七尾駅まで乗車した主婦西田玲子さん(76)=穴水町川島=は「復旧した線路を見ると感動して涙が出た。のと鉄道なしでは生活できないのでこの日をずっと待っていた」と話した。
全国の鉄道に乗るのが趣味の会社員大森節夫さん(57)=香川県多度津町=は北陸新幹線で金沢市まで訪れ、のと鉄道の運転再開を知って穴水駅まで足を伸ばした。大森さんは「鉄道に乗ることで復興を応援したい」と語った。
6日に運行を再開したのは能登中島―穴水間の4駅16・8㌔。当面は速度を落として運行するため、地震前に比べて本数が少ない1日14往復の臨時ダイヤとなる。同社は夏ごろには通常ダイヤに戻したい考えだ。
元日の地震では、線路の隆起やホーム損壊のほか、崩れた土砂がトンネルをふさぐなどの被害が発生して全線で運休を余儀なくされた。2月15日に先行して、七尾―能登中島(七尾市)間で運行を再開していた。
引用元: ・能登半島大震災で全線被災した「のと鉄道」全線運行再開 [158879285]
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