国際的な投資銀行では、2023年のボーナスは東京で平均して約10%減少したと関係者は推定する。日本国外での業績と連動した影響が出ているという。
伝統的に欧米と比べて経営トップ層の報酬がはるかに低い日本では、厳しい労働法制によって解雇も難しくなっているため、低い報酬を受け入れることが期待されている。
外資系人材紹介会社のヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンの金融部門採用責任者、ジャック・ブレナン氏は「企業の合併・買収(M&A)分野も不動産分野もプライベート・エクイティー(PE、未公開株)分野もビジネスは非常に好調だ。しかし、従業員への還元はまだ十分に行われていない」と語る。
金融データ・分析を提供するコーリション・グリニッチによると、ウォール街と欧州の投資銀行は昨年、日本の債券取引から前年比約3割増となる26億ドルの収益を上げた。欧米の上位12行のデータを対象に分析した。
しかし、報酬の増加にはつながらなかった。ある外資系投資銀行の債券トレーダーの報酬は1億円弱で、これはそのトレーダーが23年にもたらした収入の約1%に当たる。もし、香港やニューヨークを拠点にしていれば簡単に倍増しただろう。
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